学校でのエッセイ指導の必要性

2017年08月15日

学校でのエッセイ指導の必要性

写真-田代校長 茗溪学園中学校高等学校 校長 田代 淳一

茗溪学園中学校高等学校は筑波研究学園都市にある準寮制学校です。東京高等師範学校から筑波大学に続く同窓会茗渓会が設立した教育実験校で、国際バカロレアDP認定校、スーパーサイエンスハイスクール、スーパーグローバルハイスクールアソシエイトなど多くの認定を得ている帰国生比率6分の1という学校です。

2020年から始まる大学入試改革への対策を意識する学校が多いようですが、日本の教育の問題点はそのようなレベルではありません。記憶量の多寡や現実離れした設定の「応用問題」への解答ゲームへの正解率を問う教育では、これからの国境もリアルとサイバーの境もなくなる世の中で力強く人間味あふれた生き方ができる若者を育てることはできません。ひとつ一つの知識やできごとに、自分はどう考えるのか、どう思うのかを自問し、答えを認識し、言葉で表現する。様々な方法で伝え、意見交換し、自分の考えを修正し、それをまた言語化していく。このような学習の仕方、習慣がどうしても必要です。

この表現した自分の考えを評価してもらう中で自信は生まれ、新しい世の中でも勇気をもって飛び出していけるのです。国際バカロレアIBはまさにこの教育スタイルを全科目、全教育実践に及ぼしています。日本はとても優れた教育システムを持っていますが、この部分が欠けています。IBはこれまでは英語・フランス語・スペイン語でしか学ぶことができませんでした。国内でこの教育を実施するとなると多くの外国人教師に頼るしかありませんでした。しかし現在、このIBDPの内容の3分の2以上を日本語で学ぶことができます。これにより、日本の教育に欠けた部分を補う指導力を身に着けた教師たちが育ち始めています。

本校の中学生は3年前から松本輝彦先生の日本語エッセイの指導を受けています。この指導で明らかに自分の考えを持ち、言語化し表現する力がついています。何よりも考える習慣が身についています。これは未来に生きる子どもたちへの何よりのプレゼントです。

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教育関係者記事

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