5段落エッセイとは

2016年08月3日

5段落エッセイとは

 

5段落エッセイは、英語で文章を書くときの「書き方」の基本形です。

HOTSでは、日本の子どもたちのエッセイの力を向上させるために、英語のエッセイの書き方を、日本語で書くカリキュラムを開発し、実践しています。その文章の基本形が「5段落エッセイ」の形式です。

HOTS教育では、5段落エッセイで文章の書き方だけではなく、文章を書くにあたっての「考える力」を伸ばすことに、重点を置いて指導しています。

5段落エッセイの基本な形式

5段落エッセイは、その名の通り5つの段落からできています。

 第1段落  導入と主張

 第2段落  主張をサポートする理由・根拠の1つ目

 第3段落  主張をサポートする理由・根拠の2つ目

 第4段落  主張をサポートする理由・根拠の3つ目

 第5段落  主張の繰り返し

800字から1000字程度の文章では、第2・3・4段落で3つの理由・根拠を書きます。短いエッセイ(たとえば、500字以下)では、2つだけの理由・根拠を書いて、全体で4段落になる場合もあります。

英語の「段落」は、はっきりした形をもっていて、「1つの段落には、1つの理由・根拠(トピック)」というルールがしっかり守られます。

このように、簡単な形式なので、いくつかのルールを守るだけで、5段落エッセイを書きあげることができます。

読書指導の実践例

2016年07月30日

読書指導の実践例

 

明徳義塾中学校の「読書マラソン」

明徳義塾中学・国際コースの生徒諸君は「読書マラソン」と名付けられた読書・エッセイ指導を中学3年間受けています。

毎週の3年間にわたる「長く・苦しい」作業が必要なので、「継続は力」を目標に「読書マラソン」と名付けられています。

「読書マラソン」は、毎週1冊の課題図書を読み、その本の内容についての読書課題プリントを完成させます。「読書習慣」を身に付けること、本から知識・情報を得ること、「読んで考える」こと、そして考えた事柄を「文章で表現する」ことのトレーニングが目的です。

3年間で読む約80冊の課題図書は、小学校中学年から中学・高校のレベルまでで選ばれており、中学3年生で新書(岩波ジュニア新書)に挑戦します。課題図書には、生徒たちが読み慣れている物語・小説(フィクション)も一部ありますが、大半(約80%)はノンフィクションの幅広い分野にわたったテーマ・内容に接することができます。

生徒は、課題図書を読み終えてから、読書課題の2種類のプリントの設問に回答しなければなりません。

「読書カード」では、本の基本的情報とその本の内容紹介を自分の言葉で書きます。そして、生徒自身がその本を読んで感想や興味を持った事柄について、そのように感じ・考えた理由とともに書きます。

「ブック・レポート」では、本の内容について生徒自身の考えをまとめる設問に対して、自分の意見・考えとその理由を400~800字で書きます。

これまで述べてきた読書指導の目標やねらいをすべて含んだ、「読書マラソン」を、過去5年間、明徳義塾の中学生は走り続けています。

中学生としては、その読書指導の成果をまだ実感できないでしょう。しかし、中学時代に「読書マラソン」のトレーニングで身に付けた様々な知識・スキルは、大学生・大人になった時に必ず大きな力となります。

明徳義塾中学の「読書マラソン」で使用している読書課題「読書カード」「ブックレポート」の例と説明、また3年間で生徒が読む約80冊の課題図書のリストが、明徳義塾発行のパンフレット「明徳式『学びの技法』(6~8ページ)」で詳細に紹介されていますので、併せてご覧ください。

IB教育にHOTSは必須

2016年07月29日

 

HOTS教育センターの皆様へ

akubo

私は、ESN研究会(English Study Network Institute)の総合代表をしております久保 敦と申します。現在は、京都の宇治市にあります立命館宇治中学校・高等学校に勤務しております。

ESN研究会では、様々な研究テーマを各地の特任研究員が中心となって全国の教員ネットワークの構築と各分野でのファシリテーターの育成を目指し、セミナーや研究会の実施や講師の派遣などを行っております。

研究のテーマは、英語教育におけるCT(Critical Thinking)の研究、IB教育の研究、日本語TOK(Theory of Knowledge)の研究、ICT教育の研究、21世紀型の教育スキルの研究、英作文添削事業(Writing Evaluation System)などを実践しています。

これらのすべての根底には、子供達がこれからの社会で生きていくために必要なスキルの指導や教材の開発が大切です。その代表的な力とは、次の3つです。

(1)「答えのない問いに対する議論する力」

(2)「日英の批判的な思考能力」

(3)「論理的な文章を書く力」

これらの力は、IB教育が求めている力とも言えます。文科省が2020年までにIB校を全国に200校の開校を目指していることからもその重要性は明確です。また、同年に新センター試験が導入予定されています。IB教育も記述式筆記試験にもその基本であるEssay Writingの訓練が必要となります。

自分の考えを相手に伝える方法としてWritingを書くには、まず基礎的なCTスキルの習得が必要です。そして、そのスキルを更に伸ばすには、松本輝彦先生が提唱しているHOTS (Higher Order Thinking Skills) 「高次思考能力」が必須となります。

是非、ESN研究会のHPをご覧頂ければ幸いです。全国の教員が一丸となって手を取り合い、様々な企業とのコラボにより次世代に対応できる人材の育成に努めております。

ESN研究会 http://es-network.org/
総合代表 久保 敦   (立命館宇治中学校・高等学校
関東代表 高瀬 聡伸 (十文字中学・高等学校)
関西代表 吉川 大二朗(京都女子中学校・高等学校)

読書で学ぶスキル

2016年07月27日

読書で学ぶスキル

 

読書はスポーツ:トレーニングが必要

読書をするには、集中力・持続力・孤独とたたかう力が必要です。まさに「読書はスポーツ」です。「読書の習慣づけ」を目指す、中学生の読書指導では「読書はスポーツ、特にマラソンと同じ」といって励ましています。

また、スポーツ同様、読書には繰り返しのトレーニングが必要です。それは読書の冊数を増やすことです。1週間に200ページ程度の本を1冊、読むことを目標としてます。年間20冊を読むように指導しています。

トレーニングには難易度や種類の異なる練習があるように、小学校中学年向けの伝記から高校生向けの天文学の新書まで、難易度や内容も幅広い課題図書を読んでいます。

知識・情報を読み取るスキル

本を「情報源」として考えてみます。

大学での勉強や研究、社会人としての生活や仕事で、さまざまな情報を入手するために本を手にとる機会が多くなります。「フィクション」よりも、勉学・生活・仕事のためには「ノンフィクション」がより重要になります。

そのため、「1冊の本の中から、必要な知識や情報を見つけ出すスキル(技術)」が身に付いていなければ、大人としての生活に支障が出たり、効率が悪くなったりします。

この「知識や情報入手のための本の活用の仕方」は、どこで身につけるのでしょうか。HOTS教育の説明での述べましたが、学校では教科書以外の本、特にノンフィクションの本を読む指導は皆無といってもよいでしょう。

そのスキル、具体的には、目次や索引の使い方、まえがきやあとがきで本全体の構成を読み取る方法などがあります。これらの方法は、頭で理解するだけではなく、実際に本を使って繰り返し練習しなければ、実際に使えるレベルまで身に付きません。

ノンフィクションの本を読む

2016年07月23日

ノンフィクションの本を読む

 

本の種類には、大きく分けて「フィクション」と「ノンフィクション」があります。「フィクション」とは「作者の想像力によって作り上げられた物語や小説」のことで、それ以外の内容の作品ことを「ノンフィクション」と、一般的に呼ばれています。

フィクション

子ども達は、文字が読めるようになって、絵本から始めて、物語や小説の本をたくさん読んでいます。このフィクションの読書を通して、文や文章の読み方(読解力)・読書の楽しみ・読書習慣、さらに本の内容からの知識、物語を読んた想像力などのさまざまな能力を身に付けて行きます。これらの能力は、それ以降の子どもの成長・学習に大きな役割を果たします。

ここで、フィクションの本の読み方について少し考えてみましょう。物語や小説は、「話の筋・流れ」が大切です。本の最初から最後までを読み通さなければ、その物語のストーリーが理解できず、そのおもしろさもじゅうぶん分かりません。シャーロック・ホームズの推理小説の最後の2・3ページだけ読んでも、ホームズが事件を解決していく方法や考え方を楽しむことはできなのです。このように、フィクションを楽しむためには、本の最初から最後までを読むことが大切です。

 

ノンフィクション

ノンフィクションにも、探検や歴史の記録など、読んで楽しい本が多くあります。しかし、フィクションよりも、ノンフィクションには情報や知識が豊富に含まれています。

読書指導の必要性で述べたように、「知識を広げる」、さらに読書のスキルを習得させるために、ノンフィクションの図書を読書指導では中心に選んでいます。

しかし、子どもたちの「物語のほうが楽しい」という声も取り入れて、読書指導では全体の8割程度はノンフィクションを選んでいます。

日本の大学も「読ませない」

2016年07月20日

日本の大学も「読ませない」

 

「あなたは、自分の勉強にかかわる読書を、1日平均何ページくらい読みますか?」

と早稲田大学の受講生たちに、聞いたところ、「1・2ページ」が平均的な答えでした。その少なさに驚いて、同じ質問を有名国立大学の学生にしたところ「2・3ページ」。 さすが、国立、2倍!??

また、「1日の読書時間は平均30分、全く読まない人は4割弱」と、大学生の本離れを心配する記事を読んだことがあります。「え、30分、長くなった」と思いましたが、この調査の読書時間は雑誌も含んでの時間でした!

しかし、良く考えてみて、日米の大学での読書量の違いは「学生の読書習慣」ではなくて、大学の教員の「読書を通した教育」の違いにあるのではと気付きました。簡単に言うと、「日本では、大学の先生が読ませないから、学生が読まない」ということです。日本の先生方は「教える」のが仕事で、学生が「自分で勉強する」のに期待をしていない?し、強制もしない、と考えておられると察します。

これでは、大学生としての勉学は成り立たないと思います。高校までの「学習」では「習って学ぶ」ですが、大学での「学問」になると「自分で問いを立てて、学ぶ」に変わります。学生が自分で「問いを立てる」ためには、幅広い知識が必要で、そのために読書が欠かせないのです。

簡単ですが、アメリカの学校における読書指導を参考に、日本の学校での読書の指導についてみてきました。明らかに、日本の学校現場では「読書の重要性」が高く認められていません。そして、小学校から大学までの日本の学校の先生は同じ考え方を持っているのだと確信しました。

(もちろん、子どもたち・学生に読書を強く進めている日本の学校・大学の先生が多くおられるのは知っています。あくまで一般的傾向としての話です。)

本を読ませない日本の学校

2016年07月17日

本を読ませない日本の学校

 

日本の学校での読書指導

「MR松本、最近、日本の子どもたちの国語力、特に読解力が落ちてきたね。たぶん、本を読む量が少なくなってるね。」

現地校で二十年以上にわたって、多くの日本人を指導してきた経験を持つアメリカ人の英語のダン先生が、日本から渡米した日本人の高校生の読書の少なさを、数年前に指摘しました。彼の説明によると、日本語で読書量が豊富で、読解力のある生徒は、2・3カ月英語を教えると、単語は良く理解できなくても、英文の意味が読みとれる。十年ほど前に比べると、そのような日本人生徒がほとんどいなくなった、とのことでした。

そこで、その生徒たちに話を聞いてみると、「アメリカに来てびっくりした。英語も良く分からないのに、アメリカの学校は本をたくさん読ませる。大変だ。日本の学校では、教科書は読むけど、本を読まさせれることはほとんどなかった」と、日米の学校での読書の差を話してくれました。

アメリカ生活が長くなり、日本の学校での読書指導の様子が分からなくなっていた私は、その話を聞いて、毎日の我が家の子どもたちの学校の課題図書の量と比べて、その違いにびっくりしました。

教科書を読めば十分?

「高校の教科書で定番となっている小説は、『芥川龍之介の羅生門』と『森鴎外の舞姫』くらい。それ以外の小説は、長すぎて教科書に掲載できないから」と国語の先生が教えてくれました。教科書で読むのは、短編か、長編の一部だけということになります。

「アメリカの学校での読書指導」でも紹介しましたが、様々なタイプの文章が掲載された教科書を授業で使うことはあります。しかし、中学・高校での「文学」の授業では、小説や戯曲の本1冊が教材となります。決められたページを読み終えて授業に出なければ、授業中のディスカッションなどに参加できません。そのため、年10冊くらいだと記憶しますが、子どもたちが教材の文学作品を読む姿を、家庭の中で日常的に目にしました。また、「学校の本買って」と、日本で言う文庫本のような小説を子どもたちにかわされたこともしばしばありました。

この日米の読書を基にした授業の違いを、ある時、娘が説明してくれました。

「補習校の国語では、短い文章の文一つひとつを使って、その意味や内容を勉強する。だけど、現地校の英語の授業では、本一冊や章単位で主人公の気持ちの変化や考え方なんかを読み取り、その内容についてディスカッションをする。」

この話から、日本・アメリカ、それぞれの国語・英語の授業の目的の違いがあるとは思います。しかし、最も大きな違いは読書量です。アメリカの「九歳までに読書力を」の標語通り、「読めなければ、勉強できない」教科書の厚さや、学校で要求される読書量の違いに表れて、日米の教育の違いなのです。

「エッセイ」って、「随筆」のこと?

2016年07月5日

「エッセイ」って、「随筆」のこと?

いいえ!「エッセイ」と「随筆」はまったく別の文章です!

 

エッセイ = 自分の意見を、説得力を持って、相手に伝える文章

 

HOTS教育では、「エッセイ」は上の定義のように

「自分の意見を、説得力を持って、相手に伝える」文章です。

「随筆」は「見聞・経験・感想などを気の向くままに記した文章。」
と辞書(広辞苑)で説明されています。

日本でも、文章のタイプの1つとして「エッセイ」という言葉がよくつかわれます。この場合の「エッセイ」は、その語源となっている英語の「essay」の、もっとも多用される日本語訳である「随筆」の意味でつかわれています。

HOTS教育で使う「エッセイ」の意味をしっかりとご理解ください。

HOTS指導者研修

2016年07月3日

HOTS教育の指導者・先生を養成しています !!

学校・個人教室・オンラインなどで、HOTS教育の指導者・先生となるには研修が必要です。そのための研修を講習会やオンラインで開講しています。

一般的な学校や塾の先生が持つ指導についての考え方や技術とは「生徒に知識を習得させる」教育に必要なものです。
しかし、HOTS教育では、「生徒自身が考えるスキルを身に付ける」ことを、助け・促すことが指導者・先生の役割です。
HOTS教育の指導者には、このように学校や塾の先生とは違う考え方や指導技術が必要となります。それらを研修し、学校・個別指導教室・オンラインなどで、子ども達にHOTSの教育が指導できる先生を育てるのが、この研修の目的です。

あなたも指導者・先生になりませんか !

この研修を終了後、当センターの認定を受けた受講生は、当センターが提供するHOTS教育の個別指導教室やオンライン講座で指導者・先生になることができます。また、保護者として、ご自分のお子さんの指導にも役立てることができます。

あなたも、日本の次の世代を担う子どもたちに、これまでの日本にはなかった新しい教育、HOTSの教育を広めてみませんか?

研修プログラムの詳細に興味のある方は、「お問合せ」でご連絡ください。

茗溪学園のエッセイ講座

2016年07月3日

中学1・2年生、約480名を指導中!

茨城県つくば市の私立茗溪学園では、2015年4月入学の中学1年生全員(230名)を対象に「エッセイ講座」と名付けられた授業で、エッセイと読書の指導を始めました。
2016年4月には、中学1年・2年合わせて、約480名の生徒がエッセイ講座で学んでいます。

当センターでは独自に開発したエッセイ・読書指導カリキュラムと教材を提供して、茗溪学園の担当教員・学級担任と協力の上、生徒たちの指導を行っています。

茗溪学園でのHOTS教育の導入は、エッセイ指導をとおして、2020年度から現在の大学入試センター試験に代わる新「評価試験」と「大学での勉学に必要な学習スキル」である「思考力・判断力・表現力」を習得させるのが目的です。

また、茗溪学園が2017年度から実施予定の国際バカロレア・ディプロマ・プログラム(IBDP)に参加する生徒への基礎トレーニングとも考えています。

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明徳義塾でのエッセイ指導

2016年07月3日

中学1年~高校3年、約250名を指導中!

高知県須崎市の明徳義塾中学・高等学校では、2010年4月から、中学・高校生を対象にエッセイと読書の指導を取り入れています。2016年4月現在、中高生合わせて約250名が、エッセイ関連の授業を受けています。

当センターでは独自に開発したエッセイ・読書指導カリキュラムと教材を提供して、センター派遣の指導者が明徳義塾のエッセイ担当教員とチーム・ティーチングで、生徒たちの直接指導を行っています。

明徳義塾では、「師弟が共に住み、共に読み、共に語り、共に考える」教育理念を「師弟同行(していどうぎょう)」と呼び、開校当時から実践されていたのです。この創立以来の教育理念は明徳義塾の学校風土として現在もしっかりと生きています。

そして、エッセイ教育の究極の目的「考える子どもを育てる」という考え方に、この明徳の「師弟同行」の中の「考える」教育と相通ずるものを見いだされ、6年前のエッセイ・読書指導の導入となりました。

この5年間の学校でのエッセイ指導の実践を通して、中学1年の基礎的な指導から、高校3年の大学受験に向けた発展的な内容まで、様々なカリキュラム・教材の作成、そして実践成果を上げることができました。

また、この2・3年、この学校における「考える子どもを育てる」実践成果を求めて、保護者が子どもたちを明徳義塾に入学させる動きすら広がってきています。

このように、教育理念を発展させる学校の努力と、時代のニーズに応じた新しい教育を求める保護者の希望のもと、明徳義塾でのエッセイ指導は、日々、大きな発展を続けています。

明徳義塾でのHOTS指導の詳細は、学校が制作した小冊子「明徳式『学びの技法』」で紹介されています。
ご希望の方は、こちらからご覧ください。

学校でのHOTS指導

2016年07月3日

学校でのHOTS指導

HOTS教育を通して「考える力」を伸ばすのに最も適しているのは、中学生・高校生の年齢段階です。エッセイ教育の実践が最も重要な時期です。

子どもの言語能力(話す・聞く・読む・書く)の発達のステップから考えて、欧米の学校で行われているように、自分の意見を伝える文章(エッセイ)の基礎練習(指導)を始めるのは、小学校中学年(3・4年)くらいが適しています。そして、その表現スキルを活用して「考える力」を最も伸ばせるのが、中学生・高校生の発達段階です。中学・高校での教科の学習と並行して、エッセイの練習を続けていくことにより、よりレベルの高い思考力を身につけ、より内容の豊かな文章を書けるようになります。

学校で文章を書く指導は、国語の中の単元で扱われています。そのため、国語の授業で指導が、もっとも導入しやすいと思われます。しかし、学校で学習する科目や時間数は、文部科学省の指導要領で細かく決められており、その教科・科目の学習基準を満たすために、学校の時間割はほぼいっぱいです。週5日、毎日6時限(コマ)、1週間で30コマの授業時間割の中に、新しい科目としてエッセイを入れるなど、学校現場に新しい学習内容としてエッセイを導入するのは、ほとんど不可能に近いの現状のようです。

そんな中、HOTS教育の必要性・重要性を理解して、当センターのカリキュラムを導入している学校が、以下の2校です。

 明徳義塾中学・高等学校 (高知県須崎市)

茗溪学園中学校高等学校(茨城県つくば市)

HOTS教育とは?

2016年07月3日

HOTS教育とは?

 

「思考スキルの伸長・発達」のステップに従って、段階的に「スキル(技術力)」として、「考える力」を伸ばしていくのが、HOTS教育です。

「考える力は、一般的な勉強を続けていれば、いつの間にか身に付いていく」という暗黙の、無意識の前提のもとに、子どもの教育が進められてきました。別の見方をすると、「考える力」の伸長を正面からとらえ、意図的に指導する教育はおこなわれてきませんでした。

その「暗黙で、無意識の前提」を覆して、「意図的に、計画的に、段階的に『考える力』を指導する」ことが、HOTS教育の教育方法です。

 

HOTS教育の内容

 

このHOTS教育の目標を達成するために、HOTS教育の指導は「読むこと」「書くこと」そして「考えること」を有機的に組み合わせた指導方法を活用します。具体的には、以下の3つの指導内容があります。

  • 読書指導:   「読むことを通して考える」「考えるために読む」

  • エッセイ指導: 「考えて書く」「書いて、再び書く」「読んで書く」

  • 考える指導:  「考え方を知り、その考え方を使って考え、書く」

HOTSとは?

2016年07月1日

HOTSとは、何か?

HOTSは「Higher Order Thinking Skills」の略で「ホッツ」と読みます。

「高度な思考スキル(技術)」あるいは「上位思考スキル」と直訳されます。

 

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    考える(思考)力の発達

上の図は、考える力の発達のステップを示したものです。

一番下の「知識」から一番上の「評価」に向けて、子ども・大人を問わず、考える技術(スキル)は、段階的に、より高度なレベルに向けて発達・成長していきます。

最初の「知識」(知る・覚える)と、次の「理解」(わかる・理解する)という2つの段階は、考える力の基礎的な能力として「基礎的思考技術」「下位思考スキル」「Lower Order Thinking Skills (LOTS)」などと呼ばれています。

それらの基礎的なレベルの上の「応用」「分析」「総合」「評価」はより高度なスキルとして、HOTSと呼ばれています。

HOTSの本

2016年05月4日

HOTSの教育の中心となる「エッセイ」の大切さと、その実践に基づく効果を紹介した本が発行されました。

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「5段落エッセイ指導で、日本の子どもが変わる!」 松本輝彦 著 2015年4月20日発行

 内容紹介

 アメリカでは、国家の根幹である民主主義を守るために「自分の意見を持ちそれを人に伝える力」の教育が重要視されているのに対し、日本では、プレゼンやディベート、作文、読書の機会があまりにも与えられていない。

 そして、自分の意見やその理由をうまく伝えられない今の子どもたちに、「思ったことを自由に書いてごらん」と言っても、何をどう書けばよいか分からない。

 「5段落エッセイ」は、英語の論文の書き方を日本語にも適用し、「結論を先に言う」「次に理由を挙げる」など、説得力のある文章の書き方を自然に身に付けさせ、さらには小論文や企画書にも応用できる作文術です。

 「自分の意見や考えを持ち、それを相手に伝える力」を育む「5段落エッセイ」指導こそが今の子どもたちに最も必要なのではないでしょうか。

◎ 理由を答えられない日本の子ども

◎ 正解のない問いにどう答えるか?

◎ 「5段落エッセイ」とは?

◎ 「知識」は「考える材料」だ

◎ 書き手の責任と「空気を読む」日本の文化

◎ 「説得」する相手は誰かを意識する

◎ 「書くこと」=「考えること」

アマゾンの「内容紹介」より

購入先

 この本は、アマゾン、または出版社から購入できます。
また、当センターからご購入希望の方は、「お問合せ」からメールでお申し込みください。担当者から詳細をご連絡申し上げます。

読者のコメント

 本書の発行以来、多くの読者の方から、様々な立場から、この本へのコメントをいただきました。それらの一部を紹介します。皆様の参考になれば幸いです。
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Nさん(編集者)
なぜ日本人の子供がエッセイを書けないのかという「気づき」から、試行錯誤の末に指導法を確立されるまで、じつに長い物語があったのだなと思い至りました。
私も入社試験の論作文を採点したことがありますが、何を主張したいのかわからないものが多く、目を覆うばかりです。
中学生、遅くとも高校生ぐらいからこうした訓練を積まなければ、将来どのような職業に就いても大変だと思います。
後半部分がやや駆け足なので、実践編に絞ったものを学生向けに出したら売れるかもしれません。
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 MKさん(元帰国子女受け入れ高校の校長)
このたび頂戴したご著書を共感と感嘆を持って拝読。
これは、教師、父母、生徒をはじめ日本の教育関係者にとって優れた実践活用の書であるだけでなく、確たるフィロソフィーに裏付けられた書でもあります。
まず目に焼きついた“Independent Thinker”を育てる、そして民主主義の基盤となり高等教育を受けられる学力を養う―この教育目標、このフィロソフィーは、教育の王道です。
オックスフォード大学の老教授は、卒業していく者に何を望むかと問われ、悪を悪として見抜ける目を持つことだと答えています。ここに通底しているものを感じます。
ご本には、学力を伸ばす具体的な段取り、自然に身につける手法、普段の習慣が筋を追って示され、教師にも中高生にも今日からでも実践できる実用書です。
全ての教科の学力を発展させる基盤となる思考力、論理的整序、表現力=説得力を育む明確な問題意識が貫かれています。それは、先生ご自身の体験と教育実践を、精緻に検証されたものから生まれたものです。
これによって、将来海外でも実力を発揮するための素地が鍛錬され、また今後改善されていく日本の大学・高校入試にも対応できる力がつけられます。
日本の教育が取り入れるべき、アメリカの現地校から学べる最も良質な核心的部分が見事に結晶したものと敬服した次第です。
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SWさん(大学教授)
ちょうど先ほどご著書が手元に届きましたので、まだじっくり拝読しておりませんが、松本先生の日米での貴重なご経験やエッセイ教育の真髄がわかりやすく語られ、これから世界に飛び立とうとする日本の学生たち、あるいは、その教育にたずさわる人々にとって、まさに時宜にかなった好著であると思います。
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 Kさん(元編集者)
5段落エッセイ読みました。
とてもいい本に仕上がってますね。
読みやすく、説得力があり、自分も書けるかな?と読んだあとは思えるような章立てになっていて、よかった。
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 海外で子育て経験のあるお母さん
先生がお書きになった【5段落エッセイ指導〜変わる!】は、温かいお人柄が各箇所に出ていて、かつ具体的でとても分かり易く書かれていますね。
不安に駆られ、ついつい子供を叱ってしまって悲しい結果になってしまった経験のある私にとっては、親側もこの本で”変わる”事ができるのでは‼と思わせてくれる一冊だと思いました。
夏休みにかけ日本に一時帰国する友人家族が数家族いますので、特に小学生を持つ友人にはぜひ読んで欲しいと思い、通販で先生の本を取り寄せました。また、出来れば日本人会内の図書館にも置いてもらえないか只今、打診中です。