作文の苦手な日本の子ども達
2017年07月8日
作文の苦手な日本の子ども達
作文は好きですか?
私は、デモ授業などで子どもたちに文章の書き方を教えてきました。その授業の最初に、子どもたちの「文章を書くこと」への意識を知るために、「あなたは、作文が好きですか?」と聞いたり、アンケートで回答してもらったりしています。その回答から、子どもたちの「作文」に対する否定的な思いが見えてきます。
小・中学生
次のグラフは、私が担当したデモ授業に出席した小学校高学年・中学生、約150名の、「あなたは、作文が好きですか?」との私の質問に対する回答の集計です。
得意 |
好き |
ふつう |
苦手 |
大嫌い |
1 % |
13 % |
32 % |
41 % |
14 % |
この集計では、半数を超える子どもたちが、「大嫌い」「苦手」と作文に対して否定的な意見を述べています。作文を好意的に取っているのは「得意」「好き」を答えた15%ほどの子どもです。残りの子どもたちは「普通」と回答していまが、その後の聞き取りから判断すると、作文に対して否定的なイメージを持っている子どもが多いと思われます。
読者のみなさんご自身、またお子さんの、この質問に対する回答はどれでしょうか?
高校生
私は、高校生対象の「文章を書く」指導の時にも、小中学生同様に「あなたは、文章を書くことが好きですか?」と質問することにしています。高校生は「小論文」を書く指導が中心ですが、小中学生にも増して、文章作成への否定的な態度が強くなります。
約300名の高校1年から3年の生徒に聞いたところ、「得意」はゼロ、「好き」と答えたのは、小中学生よりもっと少なくなって、20人に1人位(約5%)の割合でした。逆に、「嫌い」「苦手」と回答する生徒が約8割まで増えました。
最近の大学入試での出題回数の増えてきた「小論文」について質問しても、小中学生同様「何を、どう書いたらいいか分からない」と途方に暮れている生徒が大半です。