読書指導の実践例

読書指導の実践例

2016年07月30日

読書指導の実践例

 

明徳義塾中学校の「読書マラソン」

明徳義塾中学・国際コースの生徒諸君は「読書マラソン」と名付けられた読書・エッセイ指導を中学3年間受けています。

毎週の3年間にわたる「長く・苦しい」作業が必要なので、「継続は力」を目標に「読書マラソン」と名付けられています。

「読書マラソン」は、毎週1冊の課題図書を読み、その本の内容についての読書課題プリントを完成させます。「読書習慣」を身に付けること、本から知識・情報を得ること、「読んで考える」こと、そして考えた事柄を「文章で表現する」ことのトレーニングが目的です。

3年間で読む約80冊の課題図書は、小学校中学年から中学・高校のレベルまでで選ばれており、中学3年生で新書(岩波ジュニア新書)に挑戦します。課題図書には、生徒たちが読み慣れている物語・小説(フィクション)も一部ありますが、大半(約80%)はノンフィクションの幅広い分野にわたったテーマ・内容に接することができます。

生徒は、課題図書を読み終えてから、読書課題の2種類のプリントの設問に回答しなければなりません。

「読書カード」では、本の基本的情報とその本の内容紹介を自分の言葉で書きます。そして、生徒自身がその本を読んで感想や興味を持った事柄について、そのように感じ・考えた理由とともに書きます。

「ブック・レポート」では、本の内容について生徒自身の考えをまとめる設問に対して、自分の意見・考えとその理由を400~800字で書きます。

これまで述べてきた読書指導の目標やねらいをすべて含んだ、「読書マラソン」を、過去5年間、明徳義塾の中学生は走り続けています。

中学生としては、その読書指導の成果をまだ実感できないでしょう。しかし、中学時代に「読書マラソン」のトレーニングで身に付けた様々な知識・スキルは、大学生・大人になった時に必ず大きな力となります。

明徳義塾中学の「読書マラソン」で使用している読書課題「読書カード」「ブックレポート」の例と説明、また3年間で生徒が読む約80冊の課題図書のリストが、明徳義塾発行のパンフレット「明徳式『学びの技法』(6~8ページ)」で詳細に紹介されていますので、併せてご覧ください。