論文

2016年05月19日

大学の最終学年では、必須単位に「卒業論文」があります。
大学入学後は、レポートや小論文が課せられます。それらを書いた後の集大成として、卒業論文を書くわけです。
では、「卒業論文」を書くまでに備えておくべきスキルとは何でしょうか。
それは、本を読む力をつけること、「問い」を立てる力をつけること、そして型をマスターして使いこなす力をつけることです。

 

本を読む力をつけるには、200~300ページの新書などを読み通せる力が必要です。
大学入試の小論文とは違い、入学後に書く論文は、自分の意見をサポートするための文献を読んで参考にしたり、引用したりするからです。
文献を出来る限り多く読んで、咀嚼して自分のものにすることで、本を読む力が備わります。
推理小説や恋愛小説のように、好きな分野の本を読むのとは読み方が違います。
2~3時間かけて、知識を得るために本を読みます。
読む力は一朝一夕では身につきません。
本との出会いは、家人の読み聞かせから始まります。
興味・関心のある本を読んで読書の喜びを知ることが、読む力をつける第一歩です。
小学生には小学生の、中学生には中学生の、年齢に応じた読書体験を重ねていきます。
その積み重ねが、文献の中から、論文に必要な情報を探し出す力を生みだします。
「読む」行為に費やした時間に比例して、読む力(リーディングスキル)をつけることができます。

 

「問い」を立てる力をつけるには、物事に対して、「何故?」「どうして?」と疑問を持ち続ける事が必要です。
それに対して「答え」を出すべくあれこれ思考を巡らせます。
論文は、「問い」がたたなければ書けません。
「問い」に対し、論拠を示して、論理的に明確な「答え」を主張する文章が論文です。
「問い」をたてるには、専攻分野に関する興味と、情報や知識が必要です。
多くのことを知っている方が、自分の主張することを、先人が書いたものとは違う視点から論述できるからです。
誰も知らない切り口から「問い」をたてることができるからです。
日頃から物事に対して好奇心や疑問を持ちましょう。
大学生になるまでに「問い」をたてることを習慣化し、意見を構築して論文を書く土台を固めましょう。

 

型をマスターして使いこなす力は、型にはめて書くことを繰り返すトレーニングで修得できます。
作文や読書感想文とは違います。
論文は、小論文の型が基本にあります。
自分の感想は書きません。事実のみを客観的に記します。
5段落エッセイ、小論文でも書いたように、まず、序論で自分の主張を述べ、本論で論拠を示し、結論で主張の正当性を論証します。
書くトレーニングを繰り返し、しっかり型を身につけておきましょう。

 

「卒業論文」は、大学での4年間の学びのまとめです。論文の書き方などのHow to本はたくさん出版されていますが、読んだからといってすぐに論文が書けるわけではありません。
より良い「卒業論文」を書くために、本を読む、「問い」をたてる、型をマスターして使いこなすスキルを身につけておくことが重要です。

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