ケースメソッド(Case method)

2016年05月28日

ケースメソッドは、事例を基にして、そこにある問題を発見、分析、整理して、最善の解決策を、複数で討議して導き出す教育方法です。
ハーバード・ビジネススクールや慶応義塾大学大学院などで採用されています。
日常生活において、あまり馴染みのない、専門知識が必要な、敷居の高い学習法の印象があります。
しかし、ケースメソッドの手法を用いて、最善の解決策を手に入れたい様々な問題が、身近にあります。
原子力発電、南海トラフ大地震に向けての対応、安楽死、高齢者社会における受け入れ施設不足、介護職人員不足などなどです。
ケースメソッドを行うと、どのようなメリットがあるのでしょうか。
合意形成の方法や手順のプロセスを学べる、思考スキルがパワーアップする、傾聴力が鍛えられるというメリットがあります。

 

事例(ケース)は教育、医学、法学など分野によって違います。専門知識を必要とすることもあります。
しかし、どの事例でも共通に、事例を読み取り、問題を見つけ、分析、整理して、自分の考えを持つという、一連の作業を行います。
事例を読むだけの受け身ではなく、積極的に事例と向き合い、解決策を全体に提案し、討議を繰り返します。
自分の意思を伝え、相手から賛否両論の批評を受け、お互いの着地点を討議のなかで見つけ出していきます。
事例に対する最適解を導き出すまでの作業を通して、合意形成の方法や手順のプロセスを学ぶことができます。

 

事例において、自分の考えをまとめるには、ブレインストーミング、クリティカルシンキング、クリエイティブシンキングなどの思考法を利用します。
これらの思考法を反復活用することで、応用力がつき、それぞれの思考法がより磨かれて定着します。
思考スキルがパワーアップする効果があります。

 

ケースメソッドは、集団で行います。
相手の話をしっかり聞き、自分の意見を、根拠を示して説得できるように討議することを繰り返して、お互いの合意点を見いだしていきます。それが、最善の解決策を生み出す道程です。
自分の意見を説得力のあるものにするためにも、相手の話はしっかり聞くことが重要です。
話の内容を適切に理解すると、明確な反論もできます。
相手の提案が、より優れた解決策だと腑に落ちた場合は、自分の意見を引き下げる勇気も出せます。
集団討議の中で、傾聴力が鍛えられます。

 

解決策を模索する問題は次から次へと出てきます。
日常起きている出来事に対して、「私はこう思う」と思索を巡らす習慣がつけばいいですね。
問題解決能力の向上を図るには、ケースメソッドを活用することが有効です。

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