レトリック(Rhetoric) 

2016年06月6日

レトリックは、紀元前5世紀半ば頃、シチリア島のシラクーサで誕生したと言われています。
民主制を樹立したシラクーサの人々は、僭主に強奪された権利や私有財産を取り戻すために数多くの民事訴訟を起こしました。
僭主の長期にわたる占有で、所有権を示す「文書」や「証拠資料」はほとんどなく、裁判では「説得力」のある議論をする人が有利でした。
そこで、人を説得するための技術が必要とされ、話し言葉による発話の技術であるレトリックが誕生したのです。
「弁論術」と呼ばれるものです。
レトリックは、ギリシャへ、ギリシャがローマに制圧されるとローマ圏へと広がり隆盛を極めました。
科学が発達してくると、人々の考えは、科学が真実に近づく方法だとの考えになってきて、文を彩る(文彩)レトリックは軽んじられてきました。科学者が示す方が、説得力があるからです。科学の実験は、誰が再試行しても同じ結果を得ることができて、信頼に値し信用もされるからです。
レトリックは、言葉を有効に使って、うまく美しく表現する修辞的説得だけではありません。
仮説や命題が真である理由を明らかにする論証的説得もあります。
文彩(修辞)と議論法(論証)です。
文彩には比喩、議論法には演繹法や帰納法があります。これらを活用すると、自分の考えを相手にわかりやすく説明するために効果的で、説得力を持って伝えることができます。
レトリックを実践して、言語表現の幅を広げていきましょう。

ホッツ スタディハウス 高知
Tel.088-831-2089
〒780-8040 高知市神田853-16
E-mail:kochi@ehots.jp