童話
2016年04月21日
五台山展望台1階にある「雑貨ギャラリー PANORAMA」では、海外の絵本がたくさん展示、販売されています。
つい手に取って読みたくなるような心憎い絵本配置につられて、文庫本サイズほどの「Hansel and Gretel(ヘンゼルとグレーテル)」を、なつかしさも手伝ってめくってみました。
1973年に出版されたものでした。43年も前になります。
子どもの頃読んだのと同じで、継母によって森に捨てられたヘンゼルとグレーテルが、自分たちを煮て食べようとした魔女をやっつけて、魔女の宝を持ち帰り、継母はいなくなっていて、父親と3人で仲良く幸せに暮らすという内容でした。
グリム童話、アンデルセン童話、イソップ童話、ペローの童話、日本昔話、世界昔話などを、大人が読み聞かせてくれたり、自分で読んだりすることで、「言葉」を知るだけでなく、善悪の判断や因果応報、世の中の不条理や理不尽さも併せて知ってきました。
「大人もぞっとする初版グリム童話」は大人になって読んだのですが、確かに残酷で後味の悪いものでした。
飢饉で命が脅かされる当時の時代背景がこのような民間伝承を生んだのでしょう。
グリム兄弟が、幼年児童の情操に良くないと批判され、原点に忠実な話から、内容に変更を加えて現在知られているようなものになった過程に納得します。
矛盾がいっぱいありながらも、想像力が掻き立てられる童話を子どもの頃に読んで、子どもの頃に比すると知識が増え、消化力も高まった大人になって、民間伝承の原点に近い「大人もぞっとする初版グリム童話」を読んだことは、順番として良かったなと感じます。
ブレインストーミング(Brainstorming)
2016年04月15日
一枚の紙と一本の鉛筆で、頭の中で考えていることを書き出して、自分の目で見ることができるのがブレインストーミングです。
1938年頃、アメリカの広告代理店副社長のアレックス・オズボーンによって開発された思考の技術です。
複数の人が力を合わせて、課題や議題に対するアイデアをとにかくたくさん出して、最終的によりよい解決策を得ようとする、創造的思考方法です。
これを、自身の思考を深める技術として実践します。自身が抱えている問題、宿題の作文、ゴールデンウィークの過ごし方など、なんでもテーマになり得ます。
頭に浮かぶ言葉を全て書き出していきます。自由奔放に、質より量で書いていきます。
書き出すのには理由があります。
一つ目は、時間が経って見直しても何をどう考えていたのか、明確にわかるということです。記憶力に優れている人でも、何日か後で考えた時、取りこぼすことなく全てを覚えている訳ではありません。水の上に浮かぶ泡のようなもので、意識から消えてしまうものが必ずあります。
二つ目は、自分の考えを鳥のように全体を俯瞰して客観的に見ることができることです。不思議なことに全然関連性がないと思っていた言葉と言葉が密接につながることがあります。
三つ目は、視覚化されているので、自分の考えを相手と共有しやすくなるということです。それは、相手の意見も聞くことができて、お互いの意見の結合や改良ができ、新たな問題解決の方法が生み出されやすいということです。
ブレインストーミングをして、脳の引き出しにしまっている知識を整理してみませんか?
マンガ
2016年04月11日
活字を読むのも好きですが、マンガを読むことも、子どもの頃から大好きでした。
マンガを読むことは読書と言えるのでしょうか。
広辞苑によると、読書とは「書物を読むこと」となっています。では書物とは何でしょう。書物とは「文字や図画などを書き、または印刷して1冊に綴じたもの。本。書籍。図書。転籍」となっています。
それなら、多少のニュアンスの違いを感じはしますが、マンガを読むことも読書、と私なりに判断しました。
文字だけの本に比べ、マンガ本は、文字と絵とダブルで作者のメーセッジを受け取ることができます。
マンガの中には、私にとって、過激で不快になるようなものもあります。
読後感は重くても心に残るもの、新しい気づきをもたらせてくれるもの、共有・共感できるもの、文句なしにほんわかとさせてくれるものなどを好んで読んでいます。
少年、少女、スポーツ、ファンタジー、SF、推理などなど、種類を問わずに読んで自分が幸せな気分になれるマンガがいいですね。
読書
2016年04月10日
私が子どもの頃は、テレビゲームも携帯電話もなく、読書は手っ取り早い娯楽でした。
小学校・中学校・高校と、授業は土曜日がお昼まで、日曜日は終日休みだったので、翌朝の起床時間を気にせず読書ができる土曜日の夜は、至福の時間でした。
これまで読んだ本の中には、その本を手にしている時の、咲いている花や木々、図書室や教室、友達との会話、家族の姿など、当時の周りの風景、季節の匂いまでも呼び起こさせるものがあります。
しばし私は、今より若い自分に対面し、喜怒哀楽を伴ったなつかしさに包まれます。
本の中に自分を投影し、想像をふくらませ、思い存分遊びました。本から受けた影響は多々ありますし、今の私を構成している一部分にもなっていると思います。
さて、『読書』には3種類あります。「楽しみとしての読書」、「教養としての読書」、「学習としての読書」です。
「楽しみとしての読書」は、自分が興味のある分野を楽しんで読みます。
「教養としての読書」は、本から得た知識を咀嚼して自分のものにするという工程を通ります。
「学習としての読書」は、学校の教科書を読むことです。教科書ではさまざまな学習言語に出会います。日常生活の中で自然に体得していく生活言語とは違い、学習活動や授業で習得する学習言語は、より深い思考を必要とし、一般常識の裾野を広げます。
読書は「考える力」の土壌となる言葉を増やし、語彙力や表現力を養います。
一つの単語を説明するのにも、より多くの言葉を知っていると、言い換えや別の言葉で、相手に自分の意見を分かりやすく伝えることができます。幅広く読むことで多様な視点を持つことができ、多角的な物の見方や考え方ができるようになります。コミュニケーションにおいての意思疎通の範囲が広がります。また、幅広い知識や情報を得ることで、視野が広がり世界観も広がります。
読書は、自分で考えて自分の意見を持つための、考える力・深い思考力を身に付けるための、最初の大切なツールです。
Become an innovator!(革新者たれ!)
2016年04月6日
innovator(イノベーター)って何? と思われる方もいらっしゃることでしょう。
innovator(イノベーター)はイノベーション(innovation)を起こす人、Innovative(イノベーティブ)な考えを持つ人のことです。
新聞やテレビコマーシャルなどでもイノベーションという言葉は見聞きされたことがあると思います。
イノベーションとは、平たく言えば、新しいものを創造するということです。人とは違った視点で物事をみつめ、アイデアを出し、物事に新たな価値を生み出し、それが実社会に役立つものや仕組みになって活用されるということだと、私なりに定義しています。
イノベーティブな考えとは、革新的な創造力に富んだ考えです。
アップルのスティーブ・ジョブ、アマゾン・ドットコムのジェフ・ベゾス、スカイプのニクラス・ゼンストローム、スターバックスのハワード・シュルツ・・・などなど、世界的に有名なイノベーターの方々がいらっしゃいます。
私たちのすぐ近くにもたくさんのイノベーターがいらっしゃると思います。
たとえば、苺大福を創作した方や、冷蔵庫の残り物で新しい夕飯のおかずを創りだす方など。
好奇心を持ち、多くの視点から物事を眺め、探究心を持ち続けることができたら、イノベーターになれること間違いなしと考えます。
少子高齢化の先進県、グローバル化社会の波が押し寄せている高知県で必要とされている人材は、県内の新規採用職員や社員たちへの入社式でのトップが訓示された、「創造性と誠意を持って、新しい時代を切り開く新しい施策を自ら考え、実行していく・・・」、「積極的に自己啓発を行い、学ぶ姿勢を失わない・・・」などからも、過去の成功体験や正解のある問いに取り組む力だけではなく、時代の革新者たる人材を求めていることが明らかです。
HOTS教育が描く人物像、それが「時代の革新者」(イノベーター)です。
Become an innovator !
HOTS って何?
2016年04月5日
「HOTS」は「Higher Order Thinking Skills」の略です。
日本語では、上位思考スキル(高次思考技術)と訳しています。
ブルーム博士は「思考の6段階モデル」で、「知識」→「理解」→「応用」→「分析」→「総合」→「評価」と階層を分けています。
「知識」「理解」「応用」が下位思考(低次思考)「Lower Order Thinking Skills」(LOTS)、「分析」「総合」「評価」が上位思考「Higher Order Thinking Skills」(HOTS)とされています。(「応用」は上位思考との考えの研究者もいらっしゃいます)
上位思考は、下位思考の積み重ねができていないと成り立たないものです。それ故、下位思考・上位思考の概念は思考の優劣を示すものではなく、思考のステージを理解するためのものとして捉えています。
上位思考は、「問い」や物事に対して、より複雑な判断や批判的思考と能動的な関わりを必要とします。
当塾の名前『HOTS STUDY HOUSE 高知』には、『上位思考「HOTS」の学び舎』という意味が込められています。
「タキソノミー理論」について考える
2016年04月3日
当塾では、『ブルームのタキソノミー理論』を基本として、指導プログラムを組み立てています。
まずは、皆様にその理論をご紹介いたします。
アメリカの教育学者、ベンジャミン・ブルーム博士が、「教育目標の分類学:認知領域」(TAXONOMY OF EDUCATIONAL OBJECTIVES Cognitive and Affective Domains)で、「思考」は、「知識を想起すること」から始まり、「分析や総合を生かして新たなものの価値を判断する」という複雑なものへ伸長、発達していくという6階層の思考スキルを1956年に発表しました。
知識→理解→応用→分析→総合→評価 の6階層が、認知領域におけるブルームのタキソノミーです。
「知識」:(知る、暗記する、想起する)→ 「理解」:(わかる)→ 応用:(知識を実際の物事に当てはめて使用する)→ 分析:(物事を部分に分けたり区別したりする)→ 総合:(分析した部分を組み合わせて新たな物を生み出す)→評価:(分析や総合を生かして新たなものの価値を判断する)
現在は2016年ですから、ブルーム博士の分類学が作成されてから、60年の歳月が流れています。
世の中の変化は勿論ですが、専門家の日々の研究も進み、ブルーム博士の分類には問題があると、2000年には、ブルーム博士の生徒だったアンダーソン博士とその同僚たちが、ブルーム博士の改訂版タキソノミーを発表しました。
改訂版では、記憶→理解→応用→分析→評価→創造 の6階層になっています。
その後もガニエ教授やロバート・マルザーノ上級研究員が新しいタキソノミーを提示しています。
どの分類にも完璧はなく、長所・短所はあることでしょうが、大切なのは、自分が「正解のない問い」を持った時、どのようなプロセスで思考を深めていくのか、その思考法を持っているということになると考えます。
オリジナル・ブルーム・タキソノミーをベースに、「思考」を下位から上位へと伸長させ、「自分で考えて、自分の意見を持ち、それを人に伝える力」を身につけたいものです。
興味のある方は、下記のような本もありますので、ご一読いただければと思います。
・「学習評価ハンドブック 上」 B.S.ブルーム他(著) 渋谷憲一他(訳) 第一法規出版
・「学習評価ハンドブック 下」 B.S.ブルーム他(著) 渋谷憲一他(訳) 第一法規出版
・「すべての子どもにたしかな学力を」 B.S.ブルーム他(著) 稲葉宏雄他(訳) 明治出版
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