志願理由書

2016年05月22日

中学校入試、高校入試、大学入試、就職試験においては志願理由書(志望理由書)(志望動機)の提出が必要です。
志願理由書は、試験当日にテーマのわかる小論文とは違います。
入試までに、時間をかけて準備することのできる試験問題なのです。
試験は、志願理由書を書く時からスタートしています。
志望校、志望学部、志望就職先をしっかり調査し、自己分析を遂行し、文章の内容も文字も丁寧に書き上げて完成させれば、より良い志願理由書を書くことができます。

 

まず、自分の入りたい学校や会社に関して、パンフレットなどの資料を集めます。
学校訪問、体験入学、企業訪問を行い、実際に見てみます。その時に、疑問点や知りたいことを質問します。
実際に在学、在社している方々の話を伺うのも一案です。
しっかりと、志望先を調査、研究します。

 

次に本格的な自己分析です。
漠然と、自分はこんな人間だと思っているだけでは不足です。
「私とは」に関して、頭の中にあることを、一度ありったけ書き出してみます。
それらを、仲間ごとに分類して、自分像をまとめます。
家族や友人など周囲の意見を聞くことも大切です。
自分では見えていない部分を教えてくれる意見に出会う可能性が大です。
自分をはっきり知り、理解すると、志望先のデータと自分自身を突き合わせて照合した時、足りない部分が見えたら、クリアするためにどうすればよいのかがわかります。

 

最後に、内容も文字も丁寧な志願理由書を書きます。
志望先を調査、研究したこと、自己分析して知った自分に基づいて、文章にしてまとめます。
志望動機、入学したら何を学び、卒業後はどうしたのいか(就職活動の場合は、志望動機、何故その会社を選んだのか、入社したら何をしたいのか、将来の構想や展望は何なのか)を自分の言葉で、心を込めて丁寧に書きます。
自分の経験や体験に沿った具体例を入れると、相手にも伝わりやすい、説得力を持ったものになります。
それは、志願理由書を書いてから時間が経過していても、面接で質問された時、明確に答えられることにつながります。
自筆の場合、見た目も重要です。
誤字脱字、筆圧のない薄い文字、極端に小さい文字、雑な文字は、採点者にとって読みにくいものです。
好印象を与える、丁寧な文字で書くことも忘れてはいけません。

 

志願理由書を書くまでには時間の余裕があります。
時間をたっぷりかけて、できるだけ多くの資料を集めて、色々な意見を聞きながら、遂行を重ねて、自分の志願理由書を完成させましょう。

論文

2016年05月19日

大学の最終学年では、必須単位に「卒業論文」があります。
大学入学後は、レポートや小論文が課せられます。それらを書いた後の集大成として、卒業論文を書くわけです。
では、「卒業論文」を書くまでに備えておくべきスキルとは何でしょうか。
それは、本を読む力をつけること、「問い」を立てる力をつけること、そして型をマスターして使いこなす力をつけることです。

 

本を読む力をつけるには、200~300ページの新書などを読み通せる力が必要です。
大学入試の小論文とは違い、入学後に書く論文は、自分の意見をサポートするための文献を読んで参考にしたり、引用したりするからです。
文献を出来る限り多く読んで、咀嚼して自分のものにすることで、本を読む力が備わります。
推理小説や恋愛小説のように、好きな分野の本を読むのとは読み方が違います。
2~3時間かけて、知識を得るために本を読みます。
読む力は一朝一夕では身につきません。
本との出会いは、家人の読み聞かせから始まります。
興味・関心のある本を読んで読書の喜びを知ることが、読む力をつける第一歩です。
小学生には小学生の、中学生には中学生の、年齢に応じた読書体験を重ねていきます。
その積み重ねが、文献の中から、論文に必要な情報を探し出す力を生みだします。
「読む」行為に費やした時間に比例して、読む力(リーディングスキル)をつけることができます。

 

「問い」を立てる力をつけるには、物事に対して、「何故?」「どうして?」と疑問を持ち続ける事が必要です。
それに対して「答え」を出すべくあれこれ思考を巡らせます。
論文は、「問い」がたたなければ書けません。
「問い」に対し、論拠を示して、論理的に明確な「答え」を主張する文章が論文です。
「問い」をたてるには、専攻分野に関する興味と、情報や知識が必要です。
多くのことを知っている方が、自分の主張することを、先人が書いたものとは違う視点から論述できるからです。
誰も知らない切り口から「問い」をたてることができるからです。
日頃から物事に対して好奇心や疑問を持ちましょう。
大学生になるまでに「問い」をたてることを習慣化し、意見を構築して論文を書く土台を固めましょう。

 

型をマスターして使いこなす力は、型にはめて書くことを繰り返すトレーニングで修得できます。
作文や読書感想文とは違います。
論文は、小論文の型が基本にあります。
自分の感想は書きません。事実のみを客観的に記します。
5段落エッセイ、小論文でも書いたように、まず、序論で自分の主張を述べ、本論で論拠を示し、結論で主張の正当性を論証します。
書くトレーニングを繰り返し、しっかり型を身につけておきましょう。

 

「卒業論文」は、大学での4年間の学びのまとめです。論文の書き方などのHow to本はたくさん出版されていますが、読んだからといってすぐに論文が書けるわけではありません。
より良い「卒業論文」を書くために、本を読む、「問い」をたてる、型をマスターして使いこなすスキルを身につけておくことが重要です。

小論文

2016年05月12日

大学は、「小論文」で受験者に何を求めているのでしょうか。
「小論文」を入試科目に課す大学が増えています。
大学により、試験時間や文字数には開きがあります。
出された課題について、自分の考えを、60分~120分の時間で、400字~1,200字の範囲で書きます。
大学は、中学校や高校で学んだこと、興味や関心を持ったことを、より深く研究するところです。
自分で問いをたて、答えを導くために、自ら主体的に取り組んでいくところです。
大学は、自分の考えをまとめて表現すること、相手に説得力を持って自分の考えを伝えること、文の体裁を整える力を求めています。

 

自分の考えをまとめて表現するには、まず、ブレインストーミングで、自分が頭に持っている全ての知識を書き出します。次に、それらの知識を分類し、整理して、優先順に並べ替えます。そして、自分の意見や考えをサポートするのに、最も重要なことから書き始めます。試験時間が決められています。参考資料も使えません。課題を的確に理解して、自分の考えをまとめて表現するには、常日頃から新聞や本などを読んで幅広い知識を蓄え、言葉を獲得しておくことが重要です。より多くの言葉を修得していることで、ブレインストーミングが豊かなものになるからです。

 

採点者は一度に数多くの小論文を採点するわけですから、採点者にとってわかりやすく、説得力のある文章であることが大切です。
冒頭に自分の論点を明確に提示することで、採点者はその論文が、どのような展開になっているのか推察しやすくなります。
次に続く本論で、自分の論点の根拠を述べます。自分の経験や体験に基づいたものを入れると、説得力が増し、効果的です。
最後に、自分の主張をもう一度述べて小論文を結びます。
このような手順で、序論、本論、結論を論述していくと、相手に説得力を持って自分の考えを伝える小論文が書けます。

 

文の体裁を整える力というのは、誤字、脱字がなく、不適切な接続詞の使い方や語順の誤りもない文章を書ける力ということです。それらの力も、小論文で試されているのです。

 

大学ではテーマを決めて、専門的に研究していきます。そして、その研究成果をレポートや論文という形で発表していきます。それらを書く力を受験生が身につけているか、小論文で確認しています。
受験当日までに、小論文を書くトレーニングを繰り返して、書く技術を鍛えておきましょう。そうすることで、大学が受験者に求めているものを達成することができます。

エゴノキ&ヤマボウシ

2016年05月11日

我が家の小さな庭に、エゴノキとヤマボウシが手をつながんばかりに立っています。
造園の方に植樹していただいて20年余り。随分と背丈が伸びて、選定しては高さを調整しています。
今年もエゴノキが花を咲かせ始めました。
清楚な花です。
星のような白い花が、下向きにいくつもいくつも咲いて、甘い香りを届けてくれています。
ハナバチが、花の蜜を吸いながら、忙しく飛びまわっています。
花は星のような形のまま散ります。
ヤマボウシも咲けば真っ白い花(厳密に言えば、白色は4枚の総苞片で、その中心に黄緑色の小さな花が球状に集合しています)で、エゴノキの花と同様大好きなのですが、ただの一度も咲いてくれません。
花は咲かせてくれませんが、毎年鳥が巣を作ってひなを育て、巣立っていってくれます。
名前を知らない鳥一家が巣立った後、その巣を鳩がちゃっかりと我が物にして、卵を産んでひなを育てます。
家周りのカイヅカイブキを、思いっきり見晴らしよく選定したものだから、それまでそこに巣作りしていた鳩が引っ越しして来たのでしょう。
エゴノキとヤマボウシが、枝いっぱいに白い花を咲かせて共演するさまを一度でいいから見てみたいものです。
あきらめなければ、奇跡が起きるかもと期待して、今日も2本の樹木を眺めています。

レポート

2016年05月10日

広辞苑によると、レポートとは「報告。報道。報告書。学術研究報告書」となっています。
口頭や文章で報告するレポートは、どう書けばいいのでしょうか。
課せられたレポートが、「何を求めているのか」を明確に理解することが出発点になります。
結論を考えてから書いていきます。レポートにはいろいろな種類があります。
牧野植物園の「すみれ・たんぽぽ展」では、市民の皆さんから送られてきたタンポポ調査用紙を分析して、高知県内の市町村別分布マップを作成していました。これをレポートとしてまとめるなら、送られてきた調査用紙がデータであり、それらが根拠になります。結果として、すみれ種類トップは香美市で24種類、タンポポ種類トップは大豊町と梼原町で8種類という報告書ができあがります。
「アサガオの一日」というレポートでは、時間の経過に従って定期的に観測して得た値を整理して、時系列に書いていきます。
警察官が窃盗犯を逮捕して、そのあらましをレポートするのも時系列になります。
「英米文学の比較」であれば、イギリスとアメリカの文学について、文献を引用したり参考にしたりして、自分の意見を述べていきます。

 

レポートのテーマによっては、「型」にはめ込んだ文章にすると、報告する相手に、自分の意見や考えを、はっきりと伝えることができます。
序論、本論、結論の5つの段落で構成されている5段落エッセイで、レポートを書いてみましょう。
序論冒頭で結論を述べる事から始めると、そのレポートはどういうことが書いてあるのか、相手がすぐに判断できます。
研究や調査などの報告書、学生が課題として提出する小論文、会社で新製品の企画を提案する企画書、新聞や放送などで実情や状況を報告・報道することなど、たくさんのレポートがあります。
どのレポートでも「何が求められているのか」を見誤らないことが大切です。

ゴールデンウイーク

2016年05月9日

ゴールデンウイークが終わりました。
国民の祝日は、いくつになっても、ワクワクしてしまいます。
国道197号線を車で走ると、高知県独特のフラフがはためき、鯉のぼりが泳いでいます。
「男の子が生まれたよ」「うちには男の子がいるよ」「元気に成長して欲しいよ」
フラフや鯉のぼりが、その家の喜びを表しています。

 

20台ほどのライダーの一群が対向車線を走り抜け、別のライダーの一群は、車を追い越し、左手を出して合図をし、走り去って行きます。反射的に「どういたしまして」と、車中で言葉を返していた自分がおかしくて笑ってしまいます。
純粋に楽しんでいる様子が、こちらにまで伝わってくるのです。

 

時間の余裕が、フラフや鯉のぼり、ライダーたち、物や人に対して、ゆっくりと感じ、ゆったりと味わうことをさせてくれます。
時間的ゆとりが、自分自身を非日常に置かせてくれます。

 

民俗学者の柳田國男が水田稲作農耕民の日常生活文化を分析するための分析概念として「ハレとケ」を提唱しています。
「ハレ(晴れ)」は儀礼や祭、年中行事などの「非日常」、「ケ(褻)」は普段の生活である「日常」を表しています。
昔は「ハレの日」には、餅、赤飯、白米、尾頭つきの魚、酒などを飲食して、そのための器も「ハレの日」用であり、日常的には用いられなかったのです。現在では、それらの食べ物も望めば「ケの日」の食事として普通に食べられます。
お正月のおせち料理、桃の節句のちらしずし、端午の節句のちまき・・・と暦を頭でめくりながら「ハレの日」の食べ物を思い起こしてみます。
時間にゆとりがあることは素晴らしい。
日常の中に非日常が入るから、身体だけでなく心意が疲れていても、回復することができ、また日常へ元気に戻っていくことができます。

受験生・大学生・社会人に必要な「書く力」(5段落エッセイ)

2016年05月1日

受験生・大学生・社会人にとって必要な「書く力」には、「自分の意見や考えを、相手に説得力を持って伝える力」が含まれます。アメリカの教育では、その力をつけるために、説得力のあるエッセイ「Persuasive Essay」といわれる「5段落エッセイ」(Five Paragraph Essay)の指導が行われています。
小学4年生から書き始め、大学入学後も、それぞれの求められるレベルにおいて「5段落エッセイ」を書くトレーニングを受けています。
日本で「エッセイ」というと、自由なスタイル(型、形式)で書く随筆を思い浮かべますが、アメリカでは、決まったスタイル(型、形式)にはめ込んで、「自分の意見や考えを、相手に説得力を持って伝える文章」をいいます。「5段落エッセイ」は、私が書いていた「作文」や「読書感想文」と違い、型、形式が先に存在します。
「5段落エッセイ」は、1段落が序論(Introduction)、2,3,4段落が本論(Main Body)、5段落が結論(Conclusion)の5つの段落で構成されています。
大学受験で、大学入学後の学びにおいて、そして社会でも通用する「書く力」を、日本でも「5段落エッセイ」のトレーニングを通じ、子どもたちが身につけてほしいと思います。

 

3つの理由
2020年の大学入試から、小論文や記述式の問題がより重視される傾向になると言われています。「5段落エッセイ」は小論文の基本形となる文章です。入試当日に、さあ小論文を書きましょうと言って、すぐに書けるものではありません。日頃から、自分の意見を「5段落エッセイ」の形式に当てはめて書くトレーニングを積むことで、小論文の基本をしっかり修得することが重要です。

 

大学では専門的に学んだことを口頭、あるいはレポート・小論文・論文といった文章で表し、他者と共有することが求められます。作文や読書感想文とは異なる形式の「書く力」を、大学入学までに、アメリカの子どもたちと同様に身につけておくことが必要です。

 

社会に出た後も、企業や自分の所属する組織において、自分の意見を求められることがあると思います。企画書やプレゼンテーションで自身の考えを、同僚・上司そして顧客に表明するにもこの「書く力」が不可欠です。

 

「5段落エッセイ」の指導を通じて、受験生・大学生・社会人に必要な「書く力」(ライティングスキル)を、日本の子どもたちも身につけることができると思います。

 

「5段落エッセイ」につきましては、当ホッツ教育センター代表の松本輝彦が「5段落エッセイ指導で日本の教育が変わる!」の本で詳しく著しております。

春野菜・山菜

2016年04月28日

たけのこ、ツタンカーメンのえんどう豆、夏みかんをそれぞれ違う方からいただきました。
旬ではなくても、キュウリやナスなど多くの野菜を一年中食すことができますが、やはり旬のものを食べるとおいしさは格別です。
まして、人様が「どうぞ」とくださったものだから、その気持ちが嬉しくて、おいしさが倍増します。
たけのこは、酢味噌あえと煮物、ツタンカーメンは豆ごはん、夏みかんはヨーグルトデザートにしていただきました。
春は、わらび、ぜんまい、ふきなど、あく抜きの必要な手間暇かかる山菜が多いけれど、独特の風味に舌鼓です。

 

「君がため春の野に出で若菜摘む わが衣手に雪は降りつつ」(光孝天皇)【あなたにさしあげるため、春の野原に出かけて若菜を摘んでいる私の着物の袖に、雪がしきりに降りかかってくる。】
「明日よりは春菜摘まむと標めし野に 昨日も今日も雪は降りつつ」(山部赤人)【明日こそ春菜を採ろうと思うのに、昨日も今日も雪が降って積もってしまい、中々採ることができない。】
寒さの残る春の野原で、セリ、ナズナ、スズナ、スズシロ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、フキノトウなどを摘んでいるのですね。
縄文・弥生の時代から、人々が食べていた数々の山菜や野草の中のほんの一部になるけれど、変わらない食文化が続いています。

読書感想文

2016年04月27日

中学・高校と、夏休みの宿題には読書感想文の宿題が必ずありました。
作文と同じように文章を書きますが、読書感想文を書く前提には、必ず本を読むことがあります。
かつては、本を読んで、感動したり、疑問に感じたり、共感したりの箇所に、所有している本なら線を引いたり、ページ上部を三角折にしたりして、感想文を書くときに、もう一度考えられるよう目印をつけていました。
この方法は、時が経って再読したときに、目印があるためにかえって読みにくく、その時の感じ方と、時を経た感じ方では、歳を重ねるに比例して、それなりに考え方も変化しているものだから、本に引かれた線が余計な汚れに見えたりします。
今は、付箋(ふせん)という便利な紙があるので重宝しています。
「多読術」著作者の松岡正剛さんは、鉛筆でも赤ボールペンでも、読みながら印をつけていく、マーキングすることを勧められています。
マーキングすると、読みに徹することができる、再読するときにやたらにスピードがあがるという2点の効用を述べられています。
これは、本をノートとみなし、すでに書き込みがしてあるノートを読みながら編集する、リデザインすることが、「マーキング読書法」の愉快なところだとおっしゃっています。
説得力がありますが、本をきれいにしておきたい気持ちが勝るので、活用に至っておりません。
読書感想文を書くと、反発や共感、同情や羨望、疑問や新しい気付きなど、何をどう感じたのか、自分の考えが目に見える形になります。
書くことで考えが深まります。人生観や世界観が広がっていくのではないでしょうか。

 

松岡正剛著の「多読術」は、冒頭から多読・少読・広読・狭読・粗読・精読・食読などの様々な読書方法の熟語が出てくるし、読書遍歴が始まった理由や、編集工学、キーブック、鳥の目と足の目など、多読をされている著者だからこその豊富な知識から繰り出される言葉に引き込まれ、一気に読み上げられる実に楽しい本です。一度、松岡さんの仕事場の5,6万冊ほどの蔵書を拝見したいものです。

作文

2016年04月25日

作文を書くことが好きですか?
小学校や中学校の国語の授業で、あるいは宿題で「作文」を幾度となく書いてきたことと思います。
小学校低学年の子どもたちが書いている、「先生、あのね。」から始まる作文集を見ると、かわいらしくて、頬が緩んでしまいます。最近では、就職試験でも作文が出されるところが増えてきているようです。

 

作文は自分の経験や体験を、主観的な文章にして表します。
作文のテーマが決まったら、まずは、それに関して知っていることや、関係がありそうなことを、頭の中からありったけ絞り出して、メモ書きをします。
次に、書きたいことと書けそうにないことを分けて、書く事柄を決めます。
その次に、書く事柄の順番を決めて、骨組みを構成します。
それから、寒い冬に衣服を何枚も重ね着した人のように、書きたい事柄をふくらませて具体的に書いていきます。
自分の意見や感想も述べます。

 

私はこれまでどんな題名の作文を書いてきたのか、とうの昔に忘却の彼方ですが、1つだけ覚えている作文があります。
それは「メダカ」です。自分で考えた題名ではなく、高校生だった国語の授業で、先生が私に指定した題名でした。私にとっては突飛な題名でした。何を書いて、原稿用紙に文字を埋めようかしらと考え始めた自分自身が今でも見えます。

 

書いた作文を読んでくれる相手が、友達、先生、あるいは就職試験を受けた会社の方であったりと色々なケースがあると思います。相手に合わせた言葉で表すと、自分の伝えたいことを理解してもらいやすくなります。言葉を多く知っていると、文を作りやすくなります。言葉を知るには読書が最良の方法です。表現方法も学ぶ事ができます。学んだことは作文で実践します。繰り返し書いていると、書くことに慣れてきます。
読む力(読書)と書く力(作文)は「やじろべい」のようですね。

絵本

2016年04月23日

私が大好きな本に「真夜中の図書館」(谷山浩子著)というのがあります。
1つめは谷山さんの文章、2つめはイラストレーターさんたちの挿絵、3つ目は童話や児童文学作家、小説家、作品についての簡潔な紹介、そしてそれら3つのものが緊密に結びついている三位一体感に夢中にさせられてしまいます。
帯に書かれている、「眠れない夜、心の扉を開いて、あなたの中の子どもに会いにいきませんか。」のキャッチコピーにいざなわれてしまいました。
私の中の子どもが読んだ絵本で、記憶が最も古いのは「六人のごうけつ」です。
私が幼稚園児だったころ、親が購入してくれていたものだと思います。
「キンダーブック」と言っていた気がします。
遥か遠くのものでもよく見える凄腕の猟師が、狙いを定めて鉄砲をかまえている絵が表紙だったと記憶しています。
当時の私は、どんな読後感を抱いたのでしょうか。この本が、グリム童話であったことも知りませんでした。今ならどんなふうに感じるのでしょうか。何十年かぶりに読んでみたいと希求しています。

童話

2016年04月21日

五台山展望台1階にある「雑貨ギャラリー PANORAMA」では、海外の絵本がたくさん展示、販売されています。
つい手に取って読みたくなるような心憎い絵本配置につられて、文庫本サイズほどの「Hansel and Gretel(ヘンゼルとグレーテル)」を、なつかしさも手伝ってめくってみました。
1973年に出版されたものでした。43年も前になります。
子どもの頃読んだのと同じで、継母によって森に捨てられたヘンゼルとグレーテルが、自分たちを煮て食べようとした魔女をやっつけて、魔女の宝を持ち帰り、継母はいなくなっていて、父親と3人で仲良く幸せに暮らすという内容でした。

 

グリム童話、アンデルセン童話、イソップ童話、ペローの童話、日本昔話、世界昔話などを、大人が読み聞かせてくれたり、自分で読んだりすることで、「言葉」を知るだけでなく、善悪の判断や因果応報、世の中の不条理や理不尽さも併せて知ってきました。
「大人もぞっとする初版グリム童話」は大人になって読んだのですが、確かに残酷で後味の悪いものでした。
飢饉で命が脅かされる当時の時代背景がこのような民間伝承を生んだのでしょう。
グリム兄弟が、幼年児童の情操に良くないと批判され、原点に忠実な話から、内容に変更を加えて現在知られているようなものになった過程に納得します。

 

矛盾がいっぱいありながらも、想像力が掻き立てられる童話を子どもの頃に読んで、子どもの頃に比すると知識が増え、消化力も高まった大人になって、民間伝承の原点に近い「大人もぞっとする初版グリム童話」を読んだことは、順番として良かったなと感じます。

熊本地震

2016年04月19日

4月14日から、熊本・大分で激震が相次いでいます。
亡くなった方や行方不明の方、たくさんの犠牲者が出ています。
今日も何度か地震速報がテロップで流れています。震度1以上の揺れを600回以上観測しているとのことです。
いつになれば揺れなくなるのだろうと、もどかしい思いです。
「不足する救援物資、仕分け・配送を担当する人手の不足、停電、水不足」などの不安な情報が目や耳に入ります。
被災した若者たちがおにぎりを握り、ごみを片づけ、何十回も水運びに往復し、助け合って避難所生活をしている姿をテレビで見ました。
「日本」は地震の国なのだと、災害が起きるたびに思い起こします。
地震活動が一刻も早く終息して、復旧が進むことを祈ります。

牧野植物園

2016年04月17日

五台山へ行きました。
朱色のつつじがとても鮮やかで、松の木々では「ゲーキョ・ゲーキョ・ジー」とハルゼミが鳴いていました。
昨夜の雨のおかげで、一段と瑞々しい草木の緑の中を散策できました。
この時期の緑は本当に柔らかい。黄緑、萌黄、若草色、何種類もの緑を味わいながら、太陽の光と共に歩くことは、心が洗われる心地良さでした。

 

牧野植物園では、「すみれ・たんぽぽ展」が開催されていました。
たんぽぽは、1つの頭花に120~200個の小花(しょうか)があること、今まで花びらだと思っていた一枚一枚が、一つ一つの花だったとは、驚きでした。
すみれもたんぽぽも身近な花だけど、初めて知ることがたくさんあって、新しい気づきに乾杯!とルンルン気分でした。
中でも、2015年に実施したタンポポ調査で、文字通り山のように積んであった、市民の皆さんから送られてきたタンポポ調査用紙、それを分析して作成した高知県内の市町村別分布マップは、見てすぐにわかるように立体的に提示してあり、興味をひかれるものでした。
すみれ種類トップは香美市で24種類、タンポポ種類トップは大豊町と梼原町で8種類とのことでした。
できるだけたくさんのデータを集めて、そこから一つの結果を導いています。
ロジカルシンキングの手法の一つの帰納法が使われているのだなと感じました。

 

暑すぎもせず寒すぎもしない。こんな日は、自然の中に身を置くと気持ちが良いです。
「春の野に菫つみにと来(こ)し我そ野をなつかしみ一夜寝にける」【春の野原にスミレを摘みにきたのだが、野辺の美しさに心ひかれて、ここでつい一夜を明かしてしまったなぁ。】(万葉集)と詠んだ、1200年以上も前に生きた山部赤人は、牧野植物園でも一夜を明かすことだろうなあと思いを馳せたことでした。

ブレインストーミング(Brainstorming)

2016年04月15日

一枚の紙と一本の鉛筆で、頭の中で考えていることを書き出して、自分の目で見ることができるのがブレインストーミングです。
1938年頃、アメリカの広告代理店副社長のアレックス・オズボーンによって開発された思考の技術です。
複数の人が力を合わせて、課題や議題に対するアイデアをとにかくたくさん出して、最終的によりよい解決策を得ようとする、創造的思考方法です。
これを、自身の思考を深める技術として実践します。自身が抱えている問題、宿題の作文、ゴールデンウィークの過ごし方など、なんでもテーマになり得ます。
頭に浮かぶ言葉を全て書き出していきます。自由奔放に、質より量で書いていきます。

 

書き出すのには理由があります。
一つ目は、時間が経って見直しても何をどう考えていたのか、明確にわかるということです。記憶力に優れている人でも、何日か後で考えた時、取りこぼすことなく全てを覚えている訳ではありません。水の上に浮かぶ泡のようなもので、意識から消えてしまうものが必ずあります。
二つ目は、自分の考えを鳥のように全体を俯瞰して客観的に見ることができることです。不思議なことに全然関連性がないと思っていた言葉と言葉が密接につながることがあります。
三つ目は、視覚化されているので、自分の考えを相手と共有しやすくなるということです。それは、相手の意見も聞くことができて、お互いの意見の結合や改良ができ、新たな問題解決の方法が生み出されやすいということです。

 

ブレインストーミングをして、脳の引き出しにしまっている知識を整理してみませんか?

2016年04月13日

息を呑むほどの美しさの桜を今年も堪能できました。
今日の雨で、明日はまた一段と葉桜になっていることでしょう。
「願わくは花の下にて春死なむそのきさらぎの望月の頃」【「願いが叶うのであれば、満月の(陰暦2月15日)頃、春の満開の桜の下で死にたいものだ」】と詠んだ西行法師の一首が、ふと浮かびます。
命あるものは必ず終わりもあります。この世に生まれた瞬間から、死に向かって時は過ぎています。
「生」の5画目の「一」は、「死」の1画目の「一」と共有状態なのだなと思います。
無事に過ごせる毎日に感謝です。
桜に限らず、草木が萌える春は、前に進むエネルギーをくれます。

マンガ

2016年04月11日

活字を読むのも好きですが、マンガを読むことも、子どもの頃から大好きでした。
マンガを読むことは読書と言えるのでしょうか。
広辞苑によると、読書とは「書物を読むこと」となっています。では書物とは何でしょう。書物とは「文字や図画などを書き、または印刷して1冊に綴じたもの。本。書籍。図書。転籍」となっています。
それなら、多少のニュアンスの違いを感じはしますが、マンガを読むことも読書、と私なりに判断しました。
文字だけの本に比べ、マンガ本は、文字と絵とダブルで作者のメーセッジを受け取ることができます。
マンガの中には、私にとって、過激で不快になるようなものもあります。
読後感は重くても心に残るもの、新しい気づきをもたらせてくれるもの、共有・共感できるもの、文句なしにほんわかとさせてくれるものなどを好んで読んでいます。
少年、少女、スポーツ、ファンタジー、SF、推理などなど、種類を問わずに読んで自分が幸せな気分になれるマンガがいいですね。

読書

2016年04月10日

私が子どもの頃は、テレビゲームも携帯電話もなく、読書は手っ取り早い娯楽でした。
小学校・中学校・高校と、授業は土曜日がお昼まで、日曜日は終日休みだったので、翌朝の起床時間を気にせず読書ができる土曜日の夜は、至福の時間でした。
これまで読んだ本の中には、その本を手にしている時の、咲いている花や木々、図書室や教室、友達との会話、家族の姿など、当時の周りの風景、季節の匂いまでも呼び起こさせるものがあります。
しばし私は、今より若い自分に対面し、喜怒哀楽を伴ったなつかしさに包まれます。
本の中に自分を投影し、想像をふくらませ、思い存分遊びました。本から受けた影響は多々ありますし、今の私を構成している一部分にもなっていると思います。

 

さて、『読書』には3種類あります。「楽しみとしての読書」、「教養としての読書」、「学習としての読書」です。
「楽しみとしての読書」は、自分が興味のある分野を楽しんで読みます。
「教養としての読書」は、本から得た知識を咀嚼して自分のものにするという工程を通ります。
「学習としての読書」は、学校の教科書を読むことです。教科書ではさまざまな学習言語に出会います。日常生活の中で自然に体得していく生活言語とは違い、学習活動や授業で習得する学習言語は、より深い思考を必要とし、一般常識の裾野を広げます。

 

読書は「考える力」の土壌となる言葉を増やし、語彙力や表現力を養います。
一つの単語を説明するのにも、より多くの言葉を知っていると、言い換えや別の言葉で、相手に自分の意見を分かりやすく伝えることができます。幅広く読むことで多様な視点を持つことができ、多角的な物の見方や考え方ができるようになります。コミュニケーションにおいての意思疎通の範囲が広がります。また、幅広い知識や情報を得ることで、視野が広がり世界観も広がります。

読書は、自分で考えて自分の意見を持つための、考える力・深い思考力を身に付けるための、最初の大切なツールです。

Become an innovator!(革新者たれ!)

2016年04月6日

innovator(イノベーター)って何? と思われる方もいらっしゃることでしょう。
innovator(イノベーター)はイノベーション(innovation)を起こす人、Innovative(イノベーティブ)な考えを持つ人のことです。
新聞やテレビコマーシャルなどでもイノベーションという言葉は見聞きされたことがあると思います。
イノベーションとは、平たく言えば、新しいものを創造するということです。人とは違った視点で物事をみつめ、アイデアを出し、物事に新たな価値を生み出し、それが実社会に役立つものや仕組みになって活用されるということだと、私なりに定義しています。
イノベーティブな考えとは、革新的な創造力に富んだ考えです。

 

アップルのスティーブ・ジョブ、アマゾン・ドットコムのジェフ・ベゾス、スカイプのニクラス・ゼンストローム、スターバックスのハワード・シュルツ・・・などなど、世界的に有名なイノベーターの方々がいらっしゃいます。
私たちのすぐ近くにもたくさんのイノベーターがいらっしゃると思います。
たとえば、苺大福を創作した方や、冷蔵庫の残り物で新しい夕飯のおかずを創りだす方など。
好奇心を持ち、多くの視点から物事を眺め、探究心を持ち続けることができたら、イノベーターになれること間違いなしと考えます。

 

少子高齢化の先進県、グローバル化社会の波が押し寄せている高知県で必要とされている人材は、県内の新規採用職員や社員たちへの入社式でのトップが訓示された、「創造性と誠意を持って、新しい時代を切り開く新しい施策を自ら考え、実行していく・・・」、「積極的に自己啓発を行い、学ぶ姿勢を失わない・・・」などからも、過去の成功体験や正解のある問いに取り組む力だけではなく、時代の革新者たる人材を求めていることが明らかです。

 

HOTS教育が描く人物像、それが「時代の革新者」(イノベーター)です。
Become  an  innovator ! 

HOTS って何?

2016年04月5日

「HOTS」は「Higher Order Thinking Skills」の略です。
日本語では、上位思考スキル(高次思考技術)と訳しています。

 

ブルーム博士は「思考の6段階モデル」で、「知識」→「理解」→「応用」→「分析」→「総合」→「評価」と階層を分けています。
「知識」「理解」「応用」が下位思考(低次思考)「Lower Order Thinking Skills」(LOTS)、「分析」「総合」「評価」が上位思考「Higher Order Thinking Skills」(HOTS)とされています。(「応用」は上位思考との考えの研究者もいらっしゃいます)

上位思考は、下位思考の積み重ねができていないと成り立たないものです。それ故、下位思考・上位思考の概念は思考の優劣を示すものではなく、思考のステージを理解するためのものとして捉えています。
上位思考は、「問い」や物事に対して、より複雑な判断や批判的思考と能動的な関わりを必要とします。

 

当塾の名前『HOTS STUDY HOUSE 高知』には、『上位思考「HOTS」の学び舎』という意味が込められています。

ホッツ スタディハウス 高知
Tel.088-831-2089
〒780-8040 高知市神田853-16
E-mail:kochi@ehots.jp