ようこそ「秋」

2016年08月31日

今日で8月も終わりです。
立秋(8/7)、処暑(8/23)と暦上では「秋」が来ていましたが、昨日と今日の朝の涼しさで、秋の到来を体感しました。
日が少しずつ短くなっていることや、ヤマボウシの葉が黄葉して落ちる様や、庭で鳴くコオロギに秋の気配はありました。
夕方庭で、「ツクツクホーシ、ツクツクホーシ、ツクツクホーシ、モウイイヨ、モウイイヨ、ジー」と鳴くツクツクボウシの鳴き声が、夏の終わりを告げているようです。
「食欲の秋」「スポーツの秋」「読書の秋」「芸術の秋」などと言われる「秋」です。一年中いつでもできることなのに、やはり秋が一番しっくりくる季節なのでしょうね。動きやすく、過ごしやすい季節、たくさんのことを仕上げたいものです。
「秋」、今年もようこそ私の所へ!

 

「秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる」 (秋が来たと、目にははっきり見えないけれども、風の音に秋の訪れをはっと気づかされたことだ。)」  藤原敏行 (古今和歌集)

晩夏

2016年08月17日

気付けば、8月も後半に入っています。
暦は立秋を過ぎ、晩夏の候です。
しなくてはならないことに忙殺され、8月冒頭から、エンジンはターボのままです。
リオオリンピック、夏の甲子園、よさこい祭りと、非日常の行事が繰り広げられている8月。テレビの前に腰を据え、ゆっくり観戦することができなくても、十二分に非日常の雰囲気が堪能できるのは、いずこのチャンネルも、かなりの時間、それらの行事を繰り返し、或いはハイライトで放送してくれるからです。
地上、衛星放送と、私が子どもの頃からすると、チャンネル数も大幅に増えています。

 

お盆を過ぎ、あれほどけたたましく鳴いていたセミも、おとなしくなりました。木にとまっているアブラゼミも置物のようです。
木の根元には数か所、直径1㎝ほどの穴があいています。地中から地表への、セミの幼虫たちの通り道だったのでしょう。
夏の暑さはまだまだあるのに、セミの鳴き声が静かになると少し寂しく、「晩夏」の言葉が腑に落ちます。

 

読んだのは20年程前になるでしょうか、「死国」や「山妣」など、坂東眞砂子さんの作品を思い出します。怖さ、悲しさ、生臭さ、時には澱を生じる重い作品だけど、面白くて一気に読み通した作品です。

夏野菜

2016年07月29日

夏本番! 食卓に夏野菜の出番が多くなりました。
温室栽培などで、通年食べている夏野菜もたくさんありますが、やはり、旬の野菜は格別です。
キュウリ、ナス、トマト、ズッキーニ、オクラ、ツルムラサキ、モロヘイヤ、ニラ、ピーマン、カボチャ、トウモロコシなどなど、見ているだけでも、元気になれる赤や黄色、緑色や紫の夏野菜です。
プランターで栽培したトマトは皮が固くて、お店で買ったトマトのように上質でないけれど、無農薬だし、育てた愛着はあるしで、満足して頬張っています。
つい先日、NHKのテレビで、健康や美容にいいとされる、オクラのネバネバを最大限に引き出す方法が紹介されていました。
オクラもよく食べていますが、新しい調理法を知ることができました。朝採りのオクラを買ってきていたので、早速小さく、小さく刻んで、水を入れ、冷蔵庫に一晩寝かせました。
翌日のメニューは、朝はオクラ納豆に始まり、昼はオクラサンドイッチ、夕飯にはオクラそうめんと、毎食オクラを使ってみました。
明日は、夏野菜カレーにしてみましょう。

 

           「かぼちゃ」  星野富弘
    夏の陽に焼けた
    この元気な色つやを見よ
    自信に満ちた
    この重さを見よ
    そして味わってみよ
    今の私に欠けているもの
    ばかりじゃあないか
           

ルート33

2016年07月22日

梅雨明けして、夏らしい暑い日々です。
車で松山へ行きました。
高知から松山は、高速より、国道33号線を走るのが好きです。1時間余りで、愛媛県に入ります。久万高原町です。
サイモンとガーファンクル、ビートルズ、イーグルスを聞きながら、くねくねの山道を走ります。1960年代、1970年代を代表するグループですが、良いものには、新しいも古いもないものですね。
黄色の蛍光板に、不等号<のような、ひらがなの「く」の文字のような警告標識が、幾度も幾度も現れます。道路沿いに建つ民家のブロック塀にも、黄色の蛍光塗料が塗られています。
身内が危篤とか、約束の時間に遅れそうとか、心を急がす必要のない今日は、周りの景色が余計に目に入ります。
「道の駅 天空の郷さんさん」に立ち寄ることも、楽しみです。新鮮、安い、おいしいと3拍子揃っています。三坂道路ができて、松山への時間も短縮されました。
旅人のキノが、モトラドのエルメスと旅をする小説「キノの旅」シリーズを思い出しながら、運転を楽しみました。命の洗濯日和でした。

蝉時雨

2016年07月16日

庭の木々にとまったクマゼミの大合唱が、今日も響いています。
エゴノキとヤマボウシの間を、足早に通ろうとすると、大きな羽音を立てて一斉に飛び立ち、私の頭や手にぶつかってしまうクマゼミもいます。
そうっと木々に近寄ると、目の前の低い位置でさえ、何匹ものクマゼミが、お腹を振りながら鳴いています。静かにとまっているのは、雌なのでしょう。
アブラゼミはまだみかけません。数が減ってきているのでしょうか。
木の色に紛れて見つけにくいのですが、ニイニイゼミもいます。
「長い間土の中で過ごして、地上に出てきても1週間ほどの短い命」とよく聞きます。
幼虫が、地中にいる期間は1年から7年、中には17年のセミもいるらしいのですが、地上では、3週間から1か月くらい生きているそうです。
地中では、モグラやケラや菌類の、地上では、クモやハチやカマキリなどの天敵がいます。なかなか厳しい一生です。
セミの鳴き声はにぎやかで、やかましく鳴きしきるけど、気持ちは和らぎます。

 

松尾芭蕉『奥の細道』の中の有名な句です。「閑さや岩にしみ入る蝉の声」(ああ何という静けさだ。その中で岩に染み通っていくような蝉の声が、いよいよ静けさを強めている。)

 

山中の自然の中に身心をゆだねると、この心境が味わえることと思います。
蝉

時間

2016年07月11日

「時間」が早く経ってしまう時と遅く流れてしまう時を、数え切れないほど経験してきました。
多くの場合、好きなことや楽しいことをしていると、時間が早く過ぎてしまいます。非日常の旅先では、時間の流れはあっと言う間です。しなくてはならないことができていない、苦しい立場の場合も、時間は早く過ぎてしまいます。
カエルやクマなど、冬眠している間も時間は規則的に時を刻みます。SF作品にみられる、人間の人工冬眠でも同様です。
生体活動を停止している間は、固体の時間は止まっているということになるのでしょうか。老化しないということなのでしょうか。
1時間=60分の物理学的な時間も、人によって、状況によって、感じる長さや速さは違います。
「時間」は本当にこの世に存在しているのでしょうか。
過日テレビで、「モーガン・フリーマン 時空を超えて・選“時間”は存在するのか?」という番組を見ました。世界の研究者たちがさまざまな角度から「時間」について取り組んでいました。
明確な答えが出せない問いです。
「浦島太郎」「眠れぬ森の美女」「時をかける少女」「七瀬ふたたび」「テルマエロマエ」など、タイムスリップを題材とした本や漫画の出来事は、現実に起きていることなのかもと思ってしまいます。

ムクゲ(木槿)

2016年07月2日

雨の中、白地に赤の傘をいくつもいくつもさしているように見えるムクゲの花です。
今日は久しぶりに太陽が照り付ける晴れた一日です。
朝咲いて夕方にはしぼんでしまいますが、次から次に新しい花が咲いてくれます。
地に落ちた花を、火バサミで拾うのが日課となっています。
雨の日よりも晴れた日のほうが、落ちる花の数が断然少ないです。
5月に咲いて楽しませてくれたエゴノキは、小さくて可憐な花でしたが、ムクゲは大きくて、存在感があります。
やがて梅雨が明け、蝉時雨の夏が来ても、威風堂々と咲き続けます。
土地の広さが許せば、どこまで高木になるのか見ることができるのですが。

 

「道のべの木槿は馬に食はれけり」馬上で詠んだ松尾芭蕉の句です。(街道を馬で行くと、道ばたにムクゲの花が咲いている。と眺めるより早く、その花は馬に食われてしまったよ。)
芭蕉さんも驚いたことでしょう。ムクゲの余韻に浸る間もなく、ひょいと馬の顔が眼前に現れて、ぱくっと、花を食べてしまったのですから。
梅雨の晴れ間、我が家のムクゲは、アゲハチョウが羽を広げて休んでいます。

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ショウリョウバッタ(精霊蝗虫)

2016年06月28日

プランターに植えた大葉が、見事に食べられています。
虫が寄り付きにくいからと植えた、マリーゴールドやバジルでさえ、食べられてしまっています。
1~2cmほどのショウリョウバッタが2匹、ちょこんと芝の上にいます。黄緑色の保護色をしています。
幼虫なのに、この食欲です。芝生の間に生えている雑草と、プランターに植えている草花との区別がつくはずもなく、今年もまた、たくさんの草花が食べつくされそうです。
私の都合で雑草と分類した草も、私の好みで植えた草花も、ショウリョウバッタにとっては、同じ価値です。

 

金子みすゞさんの「大漁」という詩がよぎります。

    朝焼小焼だ
    大漁だ
    大羽鰮(いわし)の
    大漁だ。

    浜は祭りの
    ようだけど
    海のなかでは
    何萬(まん)の
    鰮のとむらい
    するだろう。

相手の立場に立つと違うものが見えるものですね。
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体系的・継続的なスキルトレーニング

2016年06月19日

「読み取る力」「伝える力」などの学習技術は、体系的・継続的なトレーニングの上に築かれます。
学校で学んだ知識は一度身につけてもテストが過ぎれば「忘却の彼方に」といったケースもありますが、技術は一度身につけると失うことはありません。
鉄棒の逆上がり、自転車や車の運転、スケートや水泳などの技術を想像してください。歳を追うごとに忘れ、失うのではなく、一度身につけた技術は更に向上する可能性を秘めています。

 

「読み取る力」「伝える力」を学年相応に基礎的・集中的トレーニングが実践されているアメリカの事例(表1)をご覧ください。
大学での学びに向けたカリキュラム、スキルトレーニングが、小学低学年より高校卒業まで途切れることなく組まれています。
アメリカでは、「読み取る力」「伝える力」は知識として学ぶものではなく、技術としてトレーニングをするものであると捉えています。
尚、下の表で紹介されている「ショーアンドテル」とは、子どもが自宅から好きなものを持ってきて、クラスの皆の前で、それを見せながら説明することです。自分の好きなものを相手によく知ってもらうために、伝えたいことをまとめ、人前でわかりやすく話すといった力が身につく学習活動です。
アメリカの学校でのスキルトレーニング

鳩時計

2016年06月13日

我が家に、30年以上時を刻んでくれている鳩時計があります。
今日はやけに時間が経つのがゆっくりしているなあと感じていました。
そして、一日が長~く使えて得した気分になっていました。
それにしても、と別の時計を見て驚きました。
実際は2時間以上が過ぎているのに、鳩時計は1時間ほどしか過ぎていなかったのです。

 

私の好きな漫画、アニメに「ARIA」という作品があります。
ARIA の舞台となる「惑星アクア」の自転周期は約24時間、公転周期はマンホーム(地球)の約2倍の24か月です。
私たちの1年は12か月ですが、アクアの1年は24か月です。
今日の我が家の鳩時計は、アクア時間になっていました。
アクア体験ができて、やはりお得な1日でした。
しかし、1日24時間に変わりはないので、乾電池を交換した後は、今日中にしておきたいことを完遂するべく、倍速で動くはめになりました。

レトリック(Rhetoric) 

2016年06月6日

レトリックは、紀元前5世紀半ば頃、シチリア島のシラクーサで誕生したと言われています。
民主制を樹立したシラクーサの人々は、僭主に強奪された権利や私有財産を取り戻すために数多くの民事訴訟を起こしました。
僭主の長期にわたる占有で、所有権を示す「文書」や「証拠資料」はほとんどなく、裁判では「説得力」のある議論をする人が有利でした。
そこで、人を説得するための技術が必要とされ、話し言葉による発話の技術であるレトリックが誕生したのです。
「弁論術」と呼ばれるものです。
レトリックは、ギリシャへ、ギリシャがローマに制圧されるとローマ圏へと広がり隆盛を極めました。
科学が発達してくると、人々の考えは、科学が真実に近づく方法だとの考えになってきて、文を彩る(文彩)レトリックは軽んじられてきました。科学者が示す方が、説得力があるからです。科学の実験は、誰が再試行しても同じ結果を得ることができて、信頼に値し信用もされるからです。
レトリックは、言葉を有効に使って、うまく美しく表現する修辞的説得だけではありません。
仮説や命題が真である理由を明らかにする論証的説得もあります。
文彩(修辞)と議論法(論証)です。
文彩には比喩、議論法には演繹法や帰納法があります。これらを活用すると、自分の考えを相手にわかりやすく説明するために効果的で、説得力を持って伝えることができます。
レトリックを実践して、言語表現の幅を広げていきましょう。

学習技術

2016年06月5日

学ぶために、そして、学習行動をしていく中で獲得するスキルが学習技術です。
自分がどういった種類の学びをしたいかで、必要とされる学習技術は変わってきます。
答えのある「問い」に取り組む場合と、答えのない「問い」に取り組む場合では、違った学習技術が必要です。
学びの目的を設定すること、その目的を遂行するために必要な学習技術を知ること、そして学習技術を自分のものにすることが、学びを探求するのに役立ちます。

 

日本では、日本の大学入試制度に合わせた学習技術を身につけてきました。おもに、正確に速く正解を出す学習技術です。「記憶して再生する力」です。2020年度からの大学入試制度では、「思考力」も、併せて問われるものに変わろうとしています。これは、大学入学後、自分で問いを立て、答えを導くために、自ら学問に主体的に取り組む力を身につけているかどうかを見極めるためだからです。
「記憶して再生する力」に加えて「考える力」を学びの目的として設定することが大切です。

 

新たに設定した目的を遂行するためには、従来の学習技術だけでは不十分です。
「考える力」を培う学習技術が必要になります。それには、「分析力」「評価力」「創造力」が不可欠です。
クリティカルシンキングやクリエイティブシンキングなどの思考スキルの修練が中軸となります。
物事を分類して整理する、分類したものを組み合わせて新たなものを生み出す、そして新たなものの価値を判断する力が、「考える力」を養うために必要な学習技術だと知ることです。

 

学習技術を自分のものにするには、これまでも度々ブログで取り上げてきましたが、トレーニングを積むことです。
学習技術を知識としてとどめるのではなく、反復して数こなし、経験値をあげていきます。
「継続は力なり」(Practice makes perfect)の名言が示すように、トレーニングを続けることで、学習技術は向上します。

 

フィギュアスケートの羽生結弦選手の活躍には、練習拠点、コーチや振付師の存在が欠かせないように、学習技術の獲得にも、環境や指導者の果たす役割は多大です。
自分に必要な学習技術を獲得して、学びを探求しましょう。

面接

2016年06月4日

入学や就職試験での面接には、どのような心構え、準備をして臨めば良い結果が得られるのでしょうか。
自分自身を知ること、問答のトレーニングを数こなしておくこと、身だしなみを整えておくことが、面接成功への鍵となります。

 

まず、自分自身を知ることですが、面接本番までに時間の猶予があります。
志願理由書(ブログ5/22)でも記したように、自分自身を見つめ、周囲の意見も聞いて、自分がどういった人間であるかの自己分析をやり遂げておきます。
そうすることで、面接官のどんな質問にも、自分の言葉で答えることができるからです。
面接の模範解答にふりまわされないようにしましょう。
金太郎飴のような一律のものではなく、多様な人材を求めているので、正直に自分を表現しましょう。
面接官は、自分自身を知っている人を求めています。

 

次に、問答のトレーニングを数こなしておくことです。
質問を想定して練習しておきます。
本番までに、何度も練習をして、会話のキャッチボールができるようにしておきましょう。
単語ではなく、文で言葉のやり取りができるようにしておきましょう。
トレーニングを通じて、面接に臨む気持ちを準備万端にします。そうすれば、勢いもつきます。
それが、本番での自信につながっていきます。

 

最後に、身だしなみを整えておきます。
面接での第一印象は、合否の大切な判断材料です。
服装、髪型、姿勢など、だれでも確実に準備できる、常識的なことはきちんとしておきます。

 

備えあれば患いなしです。準備する時間があります。志願理由書を書き上げ、自分なりの言葉で表現できるよう、トレーニングを繰り返して面接に臨み、悔いが残らないものにしましょう。

プレゼンテーション

2016年06月3日

プレゼンテーションとは、聞き手に対して企画や情報を提示、提案して伝える技術です。
プレゼンテーションが成功するか否かは、内容と提示方法で決まります。
内容に価値があり、聞き手にメリットが生じるようなものを準備します。
内容に関しては、これまで幾度も述べてきましたが、ブレインストーミング、クリティカルシンキング、クリエイティブシンキングなどの思考スキルを活用すると、中味のしっかりしたものが作成できます。
それを聞き手に対してどのように伝えるかが重要です。
プレゼンテーションを成功に導く秘訣は、聞き手の立場に立つこと、聞き手の理解度を読み取ること、トレーニングを積んでおくことです。

 

聞き手の立場に立つとは、聞き手が理解しやすい範囲で準備をすることです。
つまり、情報をあれもこれもと、詰め込みすぎないことです。
多くの情報があると、焦点がぼけてしまい、プレゼンテーションが効果的に働きません。
制限時間内で伝えられる、聞き手にとって、価値があり、喜びを感じられる提示を考えます。

 

聞き手の理解度を読み取ることは、自分(プレゼンテーター)から聞き手、聞き手から自分の双方向性を持っているプレゼンテーションだからこそ、できることです。
聞き手は目の前にいるので、表情を見ることができます。
うなずいたり、首を傾げたりする聞き手の反応を見ながら、理解度を読み取ります。
言葉を言い換えて、納得してもらうようにわかりやすく説明します。
プロジェクターやレーザーポイント、小道具など、聞き手が理解しやすくするために使用します。
聞き手の理解度を読み取ることは、プレゼンテーションを上手に運ぶための一策です。

 

トレーニングを積むことで、プレゼンテーション能力が上達します。
楽器の演奏、スポーツ、自動車の運転などと同様に、練習を繰り返すことで技術が向上するのです。
アメリカでは、自分の意見を述べ、情報を伝える力のトレーニングとして、幼稚園から小学校低学年の間はショウ&テルを、それからプレゼンテーションを、発達段階に応じて、繰り返し学習しています。
人前で話すことに慣れ、どのような構成でプレゼンテーションを行えばよいのか、小さい時から回数をこなしてトレーニングしているのです。
その蓄積がプレゼンテーション能力に反映します。

 

テレビのコマーシャルや通販番組も、プレゼンテーションです。
視聴者の反応をリアルタイムで見ることができない一方通行のプレゼンテーションです。
一方通行、双方向性のいずれの場合も、プレゼンテーションは、伝える中味と伝え方で、首尾よくいくか、いかないかが決まります。
トレーニングを積んで、経験を増やし、プレゼンテーションの能力や技術を高めましょう。
聞き手が興味を持つような、聞き手の立場に立った、そして、内容が聞き手に理解されるようなプレゼンテーションを行うよう心がけましょう。

企画提案書

2016年06月1日

企画提案書は、主に、社会に出てから属する組織で要求されるスキルです。
どのような手順を踏めば、相手に響くものが提案できるのでしょうか。
相手の求めているものが何かを理解する、企画のメリットをわかりやすく説明する、その企画の実現可能性を示すことです。

 

まず、相手がどのような意図をもって、企画提案書を作成するように指示したかを推察します。
背景を見つめ、趣旨を正確に読み取ります。
企画提案書を出す相手の立場に立って考えるのです。
相手の求めているものが何かを理解します。

 

次に、企画提案書を採用することにより、生み出される新たな価値や魅力について書きます。
文字だけでなく、パワーポイント、画像などの利用は、視覚的にも相手の理解に、効果的に作用します。
どのようなメリットがあるかを、わかりやすく説明します。

 

最後は、その企画提案によるメリットの実現可能性を示します。業務の効率化、商品開発、社員旅行の企画など、事柄により、企画提案書の様式も構成も変わりますが、いずれも、目的は企画提案の採用と実現です。

 

ブレインストーミング、クリティカルシンキングなどの思考法を活用して、相手が望んでいる、相手に響く企画提案書を作成しましょう。

英語多読

2016年05月31日

当塾の英語教材は、イギリスの小学校教科書で使われている、オックスフォード・リーディング・ツリー(Oxford Reading Tree)を使用しています。
ORT(Oxford Reading Tree)は、イギリスの約80%以上の小学校で採用されている「国語」の教科書です。
最初は、文字はなく絵のみです。絵を見てどういう場面なのかを読み取ります。
次に、2〜3の単語が出てきます。絵と文字で楽しんでいきます。
徐々に単語数が増えていき、1文が長くなっていきます。
絵と文字が関連しているので、内容を想像することで、単語の意味を知らなくても、なんとなく単語の意味が推察できるようになっています。
同じ単語を繰り返して用いるので、忘却曲線に乗ることなく、記憶することができます。
単語として覚えるのではなく、文章で覚えるので、違う場面でその単語を見たとしても、応用することができやすくなります。
語彙数も増えますが、文法も自然と習得できます。

 

ORTは、「かわいいキャラクター達が登場するユーモアあふれる「オチ」がある短いお話が200話以上あり、すべてネイティブの子供たちが使う自然な英語でつづられています。10段階にレベル分けされ、頻繁に使う表現が繰り返し登場するため、英語学習用としても最適。物語はおもに主人公のキッパー少年とその家族や友達の日常生活を描いているので、まるで日本にいながらイギリスの家庭にホームステイしている気分も味わえます。」(Oxford University Pressより引用)という特徴を持っています。

 

英語を習得するには、英語を使用している国で体験するのが手っ取り早い方法ですが、日本にいながら習得するには、その国の文化や生活に密着した日常使う表現に、反復して触れることです。
ORTは、英語と米語の双方の発音でテキストを読み上げてくれる音声ペンを用いて、ネイティブの発音を、テキストの一部ですが聞くこともできます。
目で読み、耳で聞き、口で発話する。楽しみながら英語力が向上します。
自分の学習したいレベルからスタートできるORTは、英語をマスターするのに最適な教材です。

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ケースメソッド(Case method)

2016年05月28日

ケースメソッドは、事例を基にして、そこにある問題を発見、分析、整理して、最善の解決策を、複数で討議して導き出す教育方法です。
ハーバード・ビジネススクールや慶応義塾大学大学院などで採用されています。
日常生活において、あまり馴染みのない、専門知識が必要な、敷居の高い学習法の印象があります。
しかし、ケースメソッドの手法を用いて、最善の解決策を手に入れたい様々な問題が、身近にあります。
原子力発電、南海トラフ大地震に向けての対応、安楽死、高齢者社会における受け入れ施設不足、介護職人員不足などなどです。
ケースメソッドを行うと、どのようなメリットがあるのでしょうか。
合意形成の方法や手順のプロセスを学べる、思考スキルがパワーアップする、傾聴力が鍛えられるというメリットがあります。

 

事例(ケース)は教育、医学、法学など分野によって違います。専門知識を必要とすることもあります。
しかし、どの事例でも共通に、事例を読み取り、問題を見つけ、分析、整理して、自分の考えを持つという、一連の作業を行います。
事例を読むだけの受け身ではなく、積極的に事例と向き合い、解決策を全体に提案し、討議を繰り返します。
自分の意思を伝え、相手から賛否両論の批評を受け、お互いの着地点を討議のなかで見つけ出していきます。
事例に対する最適解を導き出すまでの作業を通して、合意形成の方法や手順のプロセスを学ぶことができます。

 

事例において、自分の考えをまとめるには、ブレインストーミング、クリティカルシンキング、クリエイティブシンキングなどの思考法を利用します。
これらの思考法を反復活用することで、応用力がつき、それぞれの思考法がより磨かれて定着します。
思考スキルがパワーアップする効果があります。

 

ケースメソッドは、集団で行います。
相手の話をしっかり聞き、自分の意見を、根拠を示して説得できるように討議することを繰り返して、お互いの合意点を見いだしていきます。それが、最善の解決策を生み出す道程です。
自分の意見を説得力のあるものにするためにも、相手の話はしっかり聞くことが重要です。
話の内容を適切に理解すると、明確な反論もできます。
相手の提案が、より優れた解決策だと腑に落ちた場合は、自分の意見を引き下げる勇気も出せます。
集団討議の中で、傾聴力が鍛えられます。

 

解決策を模索する問題は次から次へと出てきます。
日常起きている出来事に対して、「私はこう思う」と思索を巡らす習慣がつけばいいですね。
問題解決能力の向上を図るには、ケースメソッドを活用することが有効です。

ディベート(Debate)

2016年05月27日

ディベートとは、ある特定のテーマについて、肯定側と否定側とに分かれて、第三者(観衆、審判などの聞き手)を論理的に説得する形で、互いに議論をたたかわすことをいいます。
検察側と弁護側の法廷での議論は裁判官を、アメリカ大統領選のテレビ討論はアメリカ国民を説得するために行われます。
これらは実社会で行われている実践ディベートです。
学校の授業や学校対抗の大会など、様々な教育目的のために行われるものは、教育ディベート(アカデミック・ディベート)と呼ばれています。
第三者であるジャッジに、自分たちの主張が、より優れていると判断してもらうように、論拠を示し、論理的に議論していきます。
教育ディベート(アカデミック・ディベート)は、ルールに則って行います。
このディベートのトレーニングで、どのようなスキルの向上が得られるのでしょうか。
自分の意見を、論拠を示して論理的に伝えるスキル、論拠となる資料を収集し、分類、整理して活用するスキル、多様で異なる視点、論点から理論を組み立てるスキルが、主な向上するスキルです。

 

ディベートは、コンストラクティブスピーチ(主張・論拠・結論)、リバトルスピーチ(相手チームの主張に対する反駁)、サマリスピーチ(主張・論拠・反駁・結論)の順に、肯定・否定側が、ルールで決められた時間を有効に使い議論します。
そのスピーチの原稿は、5段落エッセイと同様、型に沿って文章を組み立てておきます。
そうすることで、自分の意見を、論拠を示して論理的に伝えるスキルが獲得されます。

 

ディベートでは、論点を強力にサポートする、信頼できる資料をいかに提示することができるかが重要視されます。
ジャッジに自分の主張の優位性を示すことができるからです。
論文や文献、専門家の発言など、多くの新しくて客観性のある資料を収集するスキル、それらを分類、整理して活用するスキルが、ディベートのトレーニングを数重ねるごとに鍛えられます。

 

ディベートは、公平を期すため、ゲームの開始直前にジャンケンやくじによって肯定側に立つのか、否定側に立つかが決まります。
そのため、自分の本意とは関係なく、肯定・否定双方の立場で、説得力のある理論を準備する必要があります。
否定側の立場で理論を組み立てることで、肯定側の理論は、さらに堅固なものとして組み立てる必要に迫られます。一人問答です。
先入観を持たずに、多様で異なる視点、論点からものごとを考えるスキルが、肯定・否定、双方の立場で、批判的に思考を行い、議論を組み立てることで向上します。

 

自分の主張を、説得力を持って伝え、相手の主張もしっかり聞くことがディベートの根底にはあります。その上で、自分の意見を、論拠を示して論理的に伝える能力、論拠となる資料を収集し、分類、整理して活用する能力、多様で異なる視点、論点から理論を組み立てる能力を伸長させていきましょう。

クリティカルシンキング(Critical thinking)

2016年05月24日

クリティカルシンキングは批判的思考と訳されます。
物事に対して、多方面から見つめ、分析し、論理的に考え、客観的に批評し評価することで、より良い適切な結論を導き出す思考法です。
どうすれば、クリティカルシンキングを身につけることができるのでしょうか。
人は思い込みや先入観に基づき判断する傾向があることを自覚すること、批判的な視点で吟味すべき項目を知り、検証すること、異なる視点を持つためのトレーニングをすることで、クリティカルシンキングの技術を会得することができます。

 

思い込みや先入観に基づいた判断では、物事を健全に正しく見ることができません。
誰しも経験したことがあるでしょうが、人は思い込みを持つものです。
この世に生まれて生きる中での経験や体験を通して、自分なりの価値や判断基準ができます。
それらの枠組みの中で、物事を見るから思い込みや先入観が生じます。
例えば、レポートや論文を書く際に、自分が立てた仮説を証明するために、都合のよい資料や解釈ばかりを取り上げる。職場での数値目標達成のために、虚偽のデータや偏った意見を採用してしまう。一つの現象をとらえ、それが全体を示しているかのような、無理な一般化をしてしまうことなどが挙げられます。
自分が見たいように見てしまうと、客観性が失われ、論理が破綻してしまうことを自覚することが、批判的思考技術を身につける第一歩です。

 

次は、「問題の前提に誤りはないか」「根拠にする情報が少なすぎないか」「事実の羅列の中に自分の主観を混ぜ込んでいないか」など、批判的な視点で吟味すべき項目を知ることです。
「どうしてそうなるの?」「本当に意味があるの?」と、疑問を持ち、一つ一つ分析し検証していくことです。

 

そして、異なる視点を持つためのトレーニングをすることが肝心です。
物事を筋道立てて考えるだけでなく、あらゆる角度から物事を考え直してみるのです。
それは、自分の立てた論理の真偽を判定することに結びついていきます。
「クリティカルシンキング」の本を何冊読んだとしても、知識は得られますが、クリティカルシンキングの技術を自分のものにすることはできません。
バタフライの泳ぎ方を知識として理解していても、実際に泳ぐことは難しいものです。泳ぐトレーニングを繰り返して、泳ぐ技術がマスターできます。
トレーニングの代表として知られているのは「ディベート」です。
ひとつの命題に対して、肯定側、否定側の双方の立場に立ち、論理を組み立て、競い合うゲームは、そのルールの性質上、強制的に、人を異なる視点に立たせることができます。
異なる視点で見ると、物事に対しての見落としが少なくなります。より妥当な結論に辿り着きやすくなるのです。

 

「クリティカル」は日本語で「批判的」と訳されるため、否定的に批評するイメージがありますが、本来の意味は、健全で好意的に物事を正しく批評することだと捉えています。物事に対して、より良い結論を導き出すために、「なぜ?」「どうして?」の疑問を抱き、全ての論点に無理や誤りがないかチェックしてみましょう。そして、異なる視点を持つためのトレーニング方法である「ディベート」を通して、クリティカルシンキングの技術を会得しましょう。

クリエイティブシンキング(Creative thinking)

2016年05月23日

クリエイティブシンキングは創造的思考と訳されます。
創造的な考え方で、新しいものを生み出したり、問題を解決したりする思考法のことです。
新しいものを生み出すといっても、何もない「無」から「有」を創造するのではありません。
「既存のもの」を見つめなおし、それを何かと置き換えたり、組み合わせたりして、新しい機能や魅力を持つものを創造するのです。
情報収集のアンテナを張ること、思考ツールを使うこと、新しいもののアイデアが実現するまで熟考を重ね続けること、或いは問題が解決するまでその「問い」を持ち続けることが、クリエイティブシンキングには欠かせません。

 

情報収集のアンテナを張って、より多くの情報を入手することで、新しいものを生み出したり、問題を解決したりする方法の選択肢が広がります。
例えば、料理を作るとき、食材が、お米とお塩だけであったら、おにぎり、おかゆ、おもちと、作れる料理は限られてしまいます。
お肉、お魚、お野菜、果物に、お砂糖やお味噌などの調味料もあれば、作れる料理はぐんと広がります。
焼く、煮る、炒める、揚げるなどの調理方法、更には、日本料理、中華料理、フランス料理、イタリア料理などの知識もあれば、作れる料理は一層増えます。
食材を置き換えたり、調理方法と組み合わせたりして新しい料理を生み出すことができます。

 

思考ツールを使うと、より多くのアイデアを出すことができます。
ブレインストーミング(4月15日 ブログ)などの思考ツールは、ルールが決まっているので、そのルールに沿って考えていくことにより、思い込みや先入観から離れられ、より多くのアイデアを出すことができるのです。
例えば、「トマトとすいかの違いについて、20書き出しましょう」の「問い」に対しては、ブレインストーミングで、無理矢理でも20のアイデア(「答え」)を出すことによって、クリエイティブシンキングの思考力が鍛えられます。

 

新しいものを生み出したり、問題を解決したりすることは、短時間では成し得ません。「ローマは一日にして成らず」です。
時間をかけて、時に一休みしても、アイデアが形になるまで、あきらめないことです。
「問い」を持ち続けることです。その姿勢が、何よりも肝要なのです。

 

好奇心を原動力にして、問題解決までの障壁を一つ一つクリアしていきましょう。その過程もクリエイティブシンキングです。
アンテナを張って情報収集を行い、思考ツールを用いて分類、整理して、新しいものの創造や、問題解決のためにクリエイティブシンキングを活用しましょう。

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